安さ追求が全てではない>
本来ストックフォトとはその必要とされるタイミングや時期、また締切に追われながら今手元に使えそうな
ビジュアルがなく半ば救世主の役割を担って止まない便利屋な訳ですが、どうした事かここずっと私の実入りはとことん下がってこの状況が続けば近い将来完全な失業レベル、つまりは生活保護の憂き目に値するほどの底なしというただならぬ最悪な落ちぶれ人生が待っています。
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代理店各社には現在も年平均で大方数千点は常に預け入れし
CGと実写合わせて既に3万点以上在庫ながら何故?
この現象の発端が言わずもがな
マイクロストックの台頭でありその最中にある社会不安やらデフレ長期化と有無も言わせぬ消費税増税が去る19年には10%の大台次いで翌年に突如発生した
コロナ禍の以後3年間が及ぼした経済活動の停滞と来れば実入りの落ち込みは必然と思います。
各々販売
代理店の現状も概ね厳しい状況かも知れませんが自社株なり信用にも影響する事からそのマイナス面は易々と口外出来ないでしょう。勿論
代理店が低調であればその負債の反動は契約する作家の売り上げにリアルタイムで直撃し多くの関係者に連動して来る訳で、作家さんの取り組む分野によっては既に耐えきれず事実上廃業された方も数多く居られると思います。
最上掲のタイトル画像のそちらは私が先週撮影したカットで地元米農家さんがこの連休中に大型機械を使って田植えを行った広い田んぼ、そこにご婦人二人が最後の仕上げなんでしょうか、余った苗を昔ながらに手植えしている珍しい
風景です。背景には小高い山がそびえ稜線部分をカットした事で画面全体が黒くしまり夕方の逆光の時間帯とも相まって見ては実にドラマチックな描写となりました。
撮影した身としては満足のいくかなりの出来栄えと思える秀作でのち預け入れる
ストックフォト素材として利用価値は十分ある
ビジュアルと考えています。が、過去もそうだったようにこういったタイプの作画は実際期待通り売れた試しがありません。その根本原因は定かで無いにしろ顧客自身が探し回るほどさして必要性を感じていないカットであるなら日々経過が進むにつれて数ある
素材蔵の只中へとただ埋没していくだけの運命となります。
顧客が今求め欲している
素材は一体何かを捉える側はより高い精度でそれを見極めるべきで通例であればその先の答えとして売れる人気の被写体は自ずと決まってきます。まあ単純にはどなたもそう考えて当たり前ながらこのご時世、そこが全く読めなくなってしまいました。そもそも月当たりの実績点数の激減は揃って顧客(マーケット)が減った事の率直表れであり、自らを社会のバロメータと自称する私を基準に照らせば現状確かに売れないこれ自体が日本の今の経済活動の瀕死度の映し絵になっているかも知れません。
作家不在の未来に警鐘>
こちら上画像の清々しく風に泳ぐ鯉のぼりの画像にも実は同じ事が言えます。鯉のぼり画像にしろ動画にしろ
ストックフォトのバリエーション含む在庫はもうとっくに数千点以上の相当数に及んでいる筈でその中からこれはという
素材がこの画であるべきを論ずるというよりかその対象にすらならないというのが実態なのです。
つまりこの先どれほど質の高い味のある優れた作品を撮って(イラスト・
CG制作同様)いくら預けてもサブスクオンリーの顧客からはほぼ一切見向きもされなくなる訳で、この暴走的な改悪現象が果たして将来に渡って顧客のため(互いにとっての真の利益)に繋がっていくのか
ビジュアルを作り提供する側として懐疑的且つ危機感すらよぎります。
ストックフォト業界に限らずこんなやり方が広く蔓延った先で未だ苦境に喘ぐ国内の経済不振が見事に解消するとは到底思えず自身まさに自業自得の向かうは奈落の底と捉えています。皆さんご存知のあのチャット
AIの出現もこのまま行けば更にその埋没に拍車をかけるに違いなく先数年足らずで
ビジュアル系作家界隈は大部分が程なく解体されおよそ殆どの場面でそんな格安上等のローコストで済む
AIロボットが制作の要に成り代わっていくのでしょう。実に嘆かわしい未来です。
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