昨日ヤフートピックスをチェックしていると「ゆるい就職」なる記事が目に入ったので一通りかい摘んで読んでみると、週4日〜3日働いて月15万円程度の収入を得ると行ったそこそこ暮らしお勧めプラン的な内容でした。
主宰者によると、この企画はあくまで実験的であり賛同者全てに成功と幸福をもたらす保障は無いという事なのでサイトのトップにはハッキリ「非正規の派遣方式であり、そのつもりでない方は絶対参加しないでください」とまあそのような解釈がなされていました。
確かに週4程度みっちり働いて後の3日は自分の余暇にしっかり時間を使うというライフスタイルは何となく充実出来そうです。
せせこましい毎日の中で神経をすり減らしてただ働くために生きているような生活が、このご時世結構当たり前になっていて更にはそれに抵抗などすれば突如解雇や減給、パワハラなどのいじめに遭いかねないのが現状でしょう。
胸を張って堂々と休める環境はむしろ心の清涼剤であり次の活力或る労働の肥やしにもなるであろうと思われるのです。
それでは私はどうでしょう。そうなんです。私などの仕事は一日8時間働くという訳ではなく、構造的にはどちらかと言うと上述の「ゆるい就職」の趣旨に近いところがあります。
休みというハッキリした日は持たない分ほぼ毎日何かしらストックフォ用素材の制作に関わる作業(CG制作や撮影、その準備もしくは画像編集と添付書類の作成など)に日々追われながら労働らしき事をしているのですが、元々好きな事なのでそうでない方からすればまるで毎日遊んでいるようでうらやましがられる側面はあります。
しかしながら実際やってみると結構キツイ事が解ります。CG制作ではまず全くの白紙状態から何かを創出しなければいけませんので、そこそこ情報収集など調べものが出てきますし、それをどう形にしていくのか出来るのかを頭の中でシミュレーションし且つそのバリエーションを数百点単位で作っていく作業が待ち受けているのです。
作業には3Dソフトや景観ソフト(時にベクターソフト併用)、フォトショでの画像合成と色域調整に加えサイズ変換と最終保存まで、画像ひとつに掛かる手間は相当なもんだといつも思いますし、時には億劫がってなかなか作業に入れない時期も在り、気持ちの上でも思い切りが要求されるそういう意味では高度な仕事かも知れません。
撮影もそうです。自宅から遠く離れた異境地に何日も車中泊を繰り返しながら1〜2週間ほどを移動撮影していく行為は案外過酷です。予め三脚に固定したカメラを車から取り出して終われば車に戻すという作業を何百回繰り返すでしょうか。時には降りしきる雨中でも傘の中いつか訪れるであろう奇跡の状況を待っていたり、ハードなトレッキングにも似た足場の悪い危険と隣り合わせの現場もあります。
その日が終わるともうへとへとなのです。其の癖いい画が撮れていない事の方が多く後でがっかりという事がしょっちゅう起こるのです。そして仕上げた作品に簡単なタイトルをつけていよいよ代理店での審査に臨む事になる訳ですが、預かり点数が余りにも少ない残念な時などは「あの苦労は何だったのか」と落胆する事もしばしば。
私の場合、一日酷い時は2〜3時間程度の労働時間であったり昼飯を挟んで8時間以上詰める事もありますが、実働時間で算出すると平均週3程度かも知れません。それでも今の自分が幸せだとは一度も思った事はありませんし、むしろ終わりの無いロードに駆り出されている気分というのが本音です。
先の「ゆるい就職」に挑もうとしている人はそれなりに他を圧倒するだけの頑張りと格別な何か得意分野を持ち得てからでないと直ぐに挫折してしまうように感じます。自分はその企業でどれだけの貢献が可能なのか、どれだけのキャリアが必要なのかを見定める必要があります。
「ゆるい就職」のその先に将来的に希望する真っ当な人生は見出せるのか、私が今を生きる中で実感として思うところです。
今日はちょっと固い話しになってしまいました。
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