「売れる」を分析してみる 第一話

おとといの夜、ほぼ3年ぶりの皆既月食を観ました。茨城県は全域で結構晴れ間が広がっていたので霞むことも無くじっくり観察出来ました。欠け始めは影の外側が眩しいくらい白く輝いていましたが、月全体が日陰になると途端に幻想的な赤一色となり異様な姿が現れます。

日食もそうですが、遥か太古の昔だったらさぞ驚いたでしょうし、これが神の仕業でなく何であるか疑いも持たなかったのでしょうね。産業革命以降ここ最近では目覚ましい科学の進歩によって多くの物理的現象が解明され、脳科学も踏まえて概ね霊現象などの不可解な出来事についてもまた論理的に解明される中で、何となく味気ない寂しさも感じるご時世であります。

ストックフォトについてここしばらく何かと嘆き節が続いてしまいましたので、たまには前向きな話しもいいかなと思い久々に文章を綴ってみました。とは言うものの概況等の詳細なデータを駆使して書いている訳ではなく勝手な思い込みでありますのでその辺はご了承ください。

何と言いますか、正直苦境です。ストックフォトは元来売れ線狙いでそれなりの素材を提供しているつもりなので、あとは数の勝負(ストック数)と思い込んでいましたが、これが思惑通りに行っていない状況なのです。世の中の不景気も手伝っていつの間にか売れる環境が変わってしまった訳です。

良く話す事ですが、アナログ(フィルム)時代から突然のデジタルへの移行後はウェブ環境も急速な進歩を遂げて2000万画素クラスの画像を一時に数百点転送するのに掛かる時間は著しく短縮されるようになると、もはやデータのやり取りには事欠かなくなりました。

そんな中で登場してきたのがマイクロストックですが、これも世の流れでこれこそ避けて通れないグローバル革命そのものなのでしょう。パソコンの性能と高機能ソフトウェアにデジタル一眼の進化がもたらしたものそれは究極の安売り競争でした。

その流れに乗れない企業は次から次へと市場から離脱してゆく事になるのですが、それでも何とか生き残りを賭けて次なる手を編み出し続けなければならない過酷な業界の真っただ中で勿論私たち契約作家たちもまた戦い続けるしか無いというのが現状です。

ここで誰それを悪者にして騒いでいても何の解決にもならない事は十分解っているので、やはり何らかの突破口策を編み出さなければなりません。皆さんも日頃から当然そう考えておられるかと思いますが、結局いい手が何も浮かんで来ないまま日一日と時間だけが過ぎていき、毎月の支払日にはその思わしくないギャランティに愕然として肩を落としているのではないでしょうか。

残念ながら私もその一人です。私の場合何しろ家族を支えていますので死活問題な訳で、ここを何とか切り抜けなければという気持ちで毎日が必至です。しかしながら今自身で直ぐにやれる事といえばCG制作と実写の二本立てをメインに広告に適した有効な背景イメージを量産するのが精一杯なので、現時点ではそれを続ける以外に道はないのかも知れません。

ただその「有効な背景イメージ」なるテーマを如何に短時間で量産し且つユーザーの眼を奪えるかを真剣に考えなければ全くの骨折り損になってしまう訳で、その辺は厳格な品定めならぬ「外さない目利き」が必須になります。

何を作っても取りあえず売れた時代は今やとっくに過去のものとなりました。CGならまず何を作るのか、どう表現するのかを更に見極めながら進める必要があります。ここで当然ながら注目しなければならないのが、「新たなお客様を知る」です。

今や媒体の多くが印刷からネットへと移行している訳ですから、素材の使われ方や向きは自ずと違っている筈です。今まで数万円で当たり前のように売れていた画像が数千円から数百円へと急落し、更にまとめ買いサービスの利用で更なる単価の引き下げに見舞われる羽目に陥ります。

しかしながら全てのユーザーが低料金体系を望んでいるとは到底思えませんし、高価格帯の優れた素材を必要としているプロのデザイナーは現場なりにまだ沢山いると信じています。低価格帯商品には無い高付加価値を生み出す事さえ出来ればまだまだ復活の可能性はあります。

まず思い浮かぶのが「RM(ライツマネージド)」画像です。ご存知の通り売り切りではなく使用履歴を確認しつつ同業他社とのバッティング(同素材の同時利用)を未然に防ぐ商品です。一般的に各代理店のオリジナルの位置づけになるので希少性を併せ持つ事から場合によっては高額取引される事もあり得ます。

私でも画像1点が40〜50万円で売れた事も過去にしばしばありました。そんなRM素材は現在では手軽で売り切りのRF(ロイヤリティフリー)の人気から余り芳しくないのですが、それは一方でRM画像の品質が低下している現れでもあるのかなと私は考えます。

殆どの契約作家がRFに移行する中でレベル的にこれまでのRMに匹敵するほどに品質が高まりました。だからユーザーはこぞってRFに行ってしまうのですが、ここで重要なのはRMの希少性です。仮に似たような画像になったとしても使用ルートは自ずと違ってくるので、その向きを見極めさえ出来ればRM戦略にもまだ希望は残されているのではというのが私の見立てです。

アピール出来る作品を上手く生み出す事が出来れば、ただでさえRM作家が減少している昨今ですから作家自身の希少性も特別視され合わせて報われるという事にも繋がるでしょう。

今回は思いのほか興奮してしまい少し長文になってしまいました。そんな訳で今テーマ「売れるを分析してみる」の続きはまた次回にしたいと思います。乞うご期待!

相変わらず中身薄くてすいません。



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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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