今後どう変わる「ストックフォト」

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先日国内の中堅フォトエージェンシーのフォトバンク横浜がサイトの閉鎖を告知しました。確か6月20日終了だったと思います。勿論私も数年来作品を預け入れていた比較的信頼のおける代理店だったので、まさかという感じで驚くばかりです。その以前にやはり契約していた老舗のアイピーエスが事業を停止するなど、ここ数年は思いもよらない有名ストックフォト販売所の閉店ショックが相次いでいる状況なのです。

長く尾を引くデフレという不景気風に遂に耐え切れなくなった事の中には言うまでもなく販売価格の下落崩壊と大手ライバル会社へのお客の一極集中、価格破壊の原因を作ったであろうアマチュア画像専門店を謳うマイクロストック集団の出現はその主因であったに違いありませんが、しかしそのマイクロストックですが意外に踏ん張って利益を出しているようで、ストック業界での一つのビジネスモデルとして君臨する成功組もちらほら出てきているようです。

いずれにしても次の一手を考えていく自助努力は常に大切な事なのですが、潰れていく負け組は果たしてサボっていたのかと言うとそうでもないと私は考えます。しかし結果駄目になるのですからビジネスを継続していくというのは実に難しい代物なのですね。

面白いのはマイクロストックです。取りあえず何でもいいから素人のアマチュアを募って使えそうな画像を片っ端に集めて店頭(サイト)に並べます。経営サイドでは幾ばくかの投資は余儀なくされますが、まず経営者本人を含むプロの作家集団を構成して、今イケそうなテーマ(被写体)をアマチュア画像の中にさり気なくぶち込んでいきます。

基本的にそれこそが会社の収益を一気に高見に導くといっても良いのでしょう。得た利益はモデル管理や拠点になるスタジオ維持に潤沢に使われて、直近のスタッフ(経営陣)には高額なギャラが支払われているかも知れません。

全体としてはスタッフ(プロ集団)の稼ぎが50%に対してアマチュア画像の在庫数が数百万枚で同50%と私は視ていますがどうでしょう?なので契約しているアマチュア作家一人当たりの稼ぎなど微々たるもので、月平均で数万円と聞きますが現実では殆どの人が数百円から数千円止まりでしょう。

このビジネスは契約者当人が元々アマチュアであるスタンスを自覚しているので低売り上げでも文句一つ言わないところがミソです。ほんの少しの売り上げがまるでコンテストにでも入選した気分にさせているのでしょうか?

売値が余りにも低価格なので仕方ありませんが、それでもこのシステムが上手く軌道にさえ乗れば経営側は間違いなくウハウハになります。だからビジネスモデルになり得る訳で成功者が出ても来るのです。ただ反面、既存のエージェンシーは上述のように、その犠牲を被る羽目になり一社また一社と消えていくという悪循環市場を容赦なくもたらします。

このような話しは相当前にもこのブログで何度となく書いた記憶がありますが、今回のPBY(フォトバンク横浜)の失脚で悔しい気持ちが再燃したのかといいますとそうでもないんです。

その連鎖からまさに我が身を按じているといった方が正直な今の気持ちです。一昨年初頭は14社契約を取り付けていた中で今実際に画像が売れて利益が出ている会社は何と僅か3社だけです。きっと他の9社(既に2社消失)も後を追う形で市場から消えていくのではないか、そうでなくとも殆ど機能しないであろうと予想しています。

中には現時点で契約作家に売り上げ報告をせずに会社の利益として搾取して、どうにか生きながらえる個人事務所があるかも知れませんし、会社を表向き潰しても影で裏サイトを運営して営業を継続している事だって考えられます。ロイヤリティフリー商品がためにコピー商品も氾濫してしまう恐れは常に付きまといます。一度預けてしまったデータに関して、残念ながらこちらからは調べる手立ては全く無いのです。

どんな業界でもそうですが、「便利とは裏腹に実に困った世の中になった」と寂しくぼやくしかないのです。

今後のストックフォトでは安売りが増々応化するだろうし低価格で高品質になり、他の企業を買収したり吸収したりして売る為の最新システムを手中に収めて更なる一極化が進んでいくと同時に、売れる画像や動画を大量にストックしている恵まれたほんの一握りの選ばれし契約作家だけがそれでも高々年収4〜5百万円程度に甘んじている、そんな未来が浮かびます。

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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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