もうかなり悲観的状況>
タイトルの『ティッピングポイント』ってご存知でしょうか。私も最近知ったのですがこれは今だと概ね気候変動において多用されている言葉のようです。つまり限界点とか境界線を意味すると理解しますが、この境目を越えるともう取り返しがつかない不可逆的な状況に陥る事を指します。
既にご承知の通りここ10年余りで
地球環境は大きく変容しています。中でも
CO2排出に伴う気温の上昇所謂『
地球温暖化』は00年からの僅か20年ほどで1.5度も上昇し伴ってか海水温の平均値も100年前と比較しておよそ0.6度上昇したと言われています。
極地の氷床の融解も殊の外ペースを上げておりそうなると地球に占める大陸総面積40%に当たる永久凍土(フィヨルド地帯)が揃って各所溶け出し始め、その上に建つ家屋や各種インフラ設備が酷くは倒壊するなど地表の緩みはかなりの規模で現在も進行し続けている状況です。
厄介なのはこれまでその氷土に封じ込められていた数兆トンにも及ぶ
メタンが地上に放出され空気に触れると化学反応を起こし大気が熱せられてその悪循環は更なる温暖化に拍車をかける、つまりそのターニングポイントが上述の『
ティッピングポイント』と言い換えられます。
今回のブログではそんな『
環境不安』を想起させるであろう過去に制作した
ストックフォト素材の新旧のいくつかをご紹介しようと思います。
まず初めは最上掲の泡に埋め尽くされた画像になりますがこちらはもうかなり前に撮影した水中写真の一コマで当時はまだ珍しいウォータープルーフパックを自作して自身実際に夏の海に潜って体当たり的場当たり的に捉えた中の偶然の産物になります。当時のデジカメの撮像素子は1000万画素でセンサーサイズも1/1.8型という今と比べて相当低レベルだったことで
ストックフォト素材にはなりきれないと判断、この頃愛用していたペンタックス(現リコーブランド)K20DのAPSーCフォーマット(それでも1460万画素)が作品制作の主力でした。
しかしこうして見返せば使い方にもよりますが今も十分通用する画質でありネット時代で大型印刷を無視すれば後に復活させられそうです。何と言っても自ら潜ってこのような
水中撮影を行うのは面倒ですしそう簡単にはいかないでしょう。仮にアクションカメラを使うにしてもここまでの泡を発生させるにはやはり何かと人力が必要で、周辺の障害物が水面に映らないように浜辺からそれでも撮った場所は30メートルほどは沖合になります。平泳ぎで回遊しつつ結構長い時間浮いていられないとそこは当然溺れてしまう深さ10メートルはあったと思います。
それはそうとしましてそれでは何故これが
環境不安と関係する画像かと疑問が出てきますが、湖底の穴から絶えず噴出しては水中を湧き上がる
メタンガスと見た目よく似ているのです。カナダ北部のとある湖からここ暫くこういった噴出があちこちと増えていて
メタン放出増大の危機感がより一層増しているそうです。

上の作品は見ての通りCGによる作画になります。ひび割れる乾燥した広大な荒涼の地にただ一本『希望?最後?の木』が立ちもはや風前の灯と言える状況をイメージして作りました。気候変動がもたらす急速な温暖化は海洋に於いて巨大なハリケーが数多く発生しては暴風による街の破壊、川の氾濫洪水土砂崩れ、国に限らず広範囲でインフラの寸断はより一層深刻さを増していくでしょうし内陸では数ヶ月に渡って雨が降らず河川は勿論ダムや地下水の貯水は瞬く間に枯れ果てて現在その40%以上にあたる36億人が水不足に悩まされているそうでこの状況が続けば、2050年にはほぼ全人類に相当する約97億人に達すると専門家が警鐘を鳴らしています。

曙空が真っ赤に染まる中シルエットで浮かぶ遠方の工場地帯を捉えた画になります。上空の重く立ち込めるドス黒い雲がその未来を暗示しているかのような一種異様な風景写真ですが、まるで上空でその排煙が吹き溜まっているかのように見えませんか?そこに映えるその赤はまさしく我々人類が将来流すであろう鮮血と言えるかも知れません。

次の画像は2点同じCGタイトルから抜粋した画像です。当タイトルは一応環境問題についてテーマを絞ってまとめたものでこの他にも今の世の中を幾分皮肉った画像が並びます。制作された年が古い割りには全く使用に遜色は伺えませんし先日もこの砂漠の砂時計画像が売れていました。報道関連で使っては分かりやすいビジュアルなんでしょう。

ひび割れを伝うこの黄色い光の線はまさしく溶岩です。CGはこんな破天荒な作画が容易にできるので重宝しています。アプリ内にプリセットとして様々な要素が組み込まれていて作り得るイメージの想像力は広がります。その画面中央には一枚(一輪?)のクローバー、先の一本の木と同様にこの過酷な状況をひたすら耐え忍んでは踏ん張っている姿が何とも健気です。仮にこれが現実に存在する光景だったとしても眺める人はいません。残念ながらもうこの時点で全人類は
滅亡しているからです。

そして当画像が今回最後になります。上空に巨大な火の玉、これは灼熱の太陽を意味しています。太陽の表面温度は最近の研究では5772度(およそ6000度)だそうです。黒点が多く現れるとそれは太陽の発熱がより高まる事を意味するらしく地球の温暖化の助長など少なからず悪影響が及ぼすそうです。そう言った視点からこちらの都市(ビル群)が降り注ぐ高熱をモロに浴びては溶け気味に揺らいでいる様子を一種パロディー風に大げさに表現してみました。
さて今夏(特に残暑)の最高気温が40度越え当たり前になってしまうのか危機意識の中注目しています。今年とは言わずも近いうちに必ず起こるのでしょうね。私個人の考えとしては『
ティッピングポイント』はこの過去数年間でとっくに越えたと思っているので腹は括っています。私の次の世代はこの倍の年数を生きる訳なので、先30〜50年足らずでそれが核戦争かは分かりませんがもしかすると人類
滅亡をリアル体験させられるかもです。
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