とかくこの時代はデジタルの進化が途方もない領域へと向かって止みませんが、特に今話題を呼んでいる『
AI』については皆さんも既にご存知の通り
チャットGPTが有名です。最近ではネットブラウザのGoogle Chromeにも標準搭載されてきている状況もあって更にその利用は各分野において広範に渡っていくと見られます。
そんな最中にあってあのビジュアル編集ソフトで名を馳せるメーカーと言えばこれまたご存知の
Adobe社が有名です。画像編集に特化するPhotoshopアプリを始め動画ではPremiereProやAfterEffectsなど活用されている人は多く今や同市場独占の域に達しているとも言われます。
そこで新たに登場してきたのがその中枢を担うべき
AI技術で、
チャットGPT同様に
AIに対して要求を文章で伝えるとそれが即座に画像や動画またイラストレーターアプリのベクター生成としてバリエーション豊富に画面に仮表示されるという仕組みです。更にそこから追加要求して深掘りしていけばより理想に近い形で作品を完成させられる訳です。
イラスト風やフォトグラフィック表現に絵画調に至るあらゆる方面にその表現力は限界を知りません。ただ現在問題になる著作権や肖像権に関して避けて通れず、
Adobe社では自社の持つ権利物を柔軟に使用できるというのが特徴的です。その一つが
フォトエージェンシーに於けるビジュアル素材の提供サービスである『
AdobeStock』(
アドビストック)であり現在保有する1億点超の中からその
AI呼び出しへの抽出元となっているとされます。
捨て駒にされかねない事態>
各権限の一様の確保によってトラブル回避がなされ生成操作を行う側のユーザーにとっては安心してそれをビジネス利用することが出来るらしいのです。使う側にとって大変有り難くこの上ないことでしょう。
とは言うもののはて?私など
ストックフォトで生計を立てている契約作家の立場からすると果たしてそれが自身の将来に有効に作用するのかとふと疑問に思いました。権利は確かにクリア出来るにしても当然契約して現在
アドビストックとして預け入れてある画像ないしは動画の一部に妙な加工が勝手に施されそれが他者の作品に加味され、つまり
AIロボットによって勝手に引き出されつつ何処かの業界の利益のために無償利用されていると言うのはどうも腑に落ちません。
利用した作品を遡って幾らかの課金が成立するのであればたとえ少額であっても利益は得られますが、アドビ社がそこまで作家の利益確保に動いて配慮しているとは到底思えないのです。権利素材を預け入れるアドビ社自体が勝手にこれを流用して利益を上げているとすれば著作権侵害に当たるのではないか、ネットを介して様々調べるもその点に関する説明は一切見当たらず同様の疑問を投げがける記事もどれもあやふやで要をなさない状態であり、実態がどう扱われているのか是非知りたいところです。
以下事例をご覧ください。要求を書き込むだけで精密な絵面が生成されます。これぞAIとビッグデータの成せる技。
※色づく空を背景に海面を泳ぐ巨大な海亀に乗る灯台と水中には古代の遺跡を生成
(Photoshop形式)
※多数のラフ書きからある一つをベクターテキストとして生成しそこから抽出した文字をパス変形
(Illustrator形式)
※生成で導き出された緑の草原とロッジの静止画を雪が舞う風景のタイムラインに作り替える
(AfterEffects形式)
Adobe社にすればストックビジュアルは相当な資産な訳で今後のあらゆる機会にその恩恵を授かると思われ当行為が半ば暴走の一途と捉えれば事は作家の権利を尽く蔑ろにしかねず強い危機意識は絶えません。俗に言う『
Adobe税』が象徴する各種ソフトウェアの
サブスク(レンタル)販売は利用者にとって片や低額という有難い面はあれど妙な囲い込み(寡占行為=独裁)の一環と見ることも出来ます。
これはこれでただ漠然と利用者の利益なく数年も利用すれば寧ろアプリ1点買いの場合の数倍も搾取されるというマイナス面は否めません。余計な費用加算がなく性能向上に寄与する頻繁なバージョンのアップデートの利点は確かにそうですが殆どのユーザーは都度それを大いに使いこなせていません。(必要としていない)そこはAdobe社に上手いこと乗せられていると言っても過言ではないでしょう。
さて、今回不意に突如登場してきた『
FireFly』サービスが私を含む
ストックフォト家業にどれほど悪影響を及ぼすのか気が気ではありません。「嫌なら他へ行け」くらいに傲慢に成り下がったAdobe社の腐った姿は見たくないです。
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