肌身で感じる好材>
既にご存知の自転車テーマは各代理店共に審査申請中となっておりまして、その予告第一弾と銘打って今回少し早めの一部そんなタイトルより抜粋しちょい出し3点をご披露したいと思います。まず上掲画像ですがこちらは見ての通り太陽が山向こうに沈む直前の夕暮れ時に写したカットになります。
山間部辺りはやや靄っていたのでしょうか、雲間を縫って放射光が見事な色彩を放ちつつ山全体を覆っていました。その麓の家並みとのコントラスト、更には手前高速道路の高架上にデンと据えた
スポーツサイクルが程よいトーンで浮き上がってその対比が実に画面にリアリティを添えています。脇に写る自動車もタイミング良く邪魔にならない程度に入り込むなど我ながらなかなかの秀作と自負しております。
当カットは比較的取材後半(4月半ば)に捉えたもので寄って
自転車を見回しますと各所仕様が微妙に変化していることが分かります。まずハンドルステム(軸とハンドルを固定する部分)、タイヤの太さ(28→32c)、ドリンクホルダーおよび専用ボトルの追加、ハンドル自体も後日長いものに交換しています。(46→58㎝)という訳ですが、最終取材先の海のシーンではチェーンリング(クランク側ギア)が44→38Tに変更されておりそちらは後日改めてお伝えしたいと思います。
思わせぶりな人の気配>
兎に角今回の
自転車テーマは数ある
ストックフォト素材の中に於いて比較的稀なカテゴリーではないかと思っていまして、実際に各代理店サイトを眺めますと確かに
自転車項目はそれなりに数はあるものの、殆どが人物が同時配置されているものばかりで
自転車単体のカットは滅多に出てきません。
大概が女性主体またグループでどこか避暑地らしき場所で
自転車を停めて歓談しているとか地図を見る遠望する、通勤通学ショッピング、外人の投稿作家さんも結構居てそこには日本では見かけない洒落た背景も目を惹きます。自転車の種類は豊富で私のようなクロスバイクありロードバイク、
ママチャリ(シティサイクル)が続きますが専ら
ストーリー仕立てになるでしょうか。さすか本格派は撮り方が冴えていますしお金も掛けてる印象です。
そういう意味では私の撮る画は何処となく寂しさがそこここに漂ってスカッと感にやや欠けた難点はあります。しかしどうでしょう、以下出てくる画像もそうですが、人が写っていないにも関わらず何故がその気配は確実にあります。むしろ人が居ない方がより想像は高まります。つまりはどんなジャンルにも使いやすい中途半端さ、まさに唯一他者との差別化なりニッチな売り要素がそこにあるのです。
もしも漠然とこのシーンを自転車を置かず写したとすればあまりに素っ気なく面白みは半減してしまうでしょう。この次期新作(タイトル名は後ほど)は普通通り掛かって差して写したくなるような絶景はほぼないと言っていいほどに、そこは一緒に写り込んだ自転車様様で一端の風景写真並みに妙に素晴らしく見えていたりするかも知れません。
さて次の画像ですが、こちらは
菜の花が咲き乱れる川沿いで見かける高台所謂増水時に水を堰き止める土手で撮影したものです。代理店サイトを探れば更に一面黄色一色の場所はあるにせよ、周辺が田畑とあって自転車が上手く入り込める細い道がいく筋も存在しその一種マダラな風貌に生活の味わいが見て取れます。夕暮れ直近の時間帯のやや逆光気味も手伝って画面全体に立体感も伺えるこちらも所々コンクリートで固められる都市部に於いては実に稀な珍しい風景に映る筈です。
※タイトル画像の時期より1週間ほど遡って撮影は4月上旬となります。
そして最後のカットこちらはまさに真冬の凍てつく寒々とした
雪降りしきるご近所風景です。日頃自転車を漕いで巡っていますとやはりそこは画になる被写体は現れるもので全てを自前の自転車ばかりでは味気ない訳なのでタイトル中にはいくつか別途見つけた画になる自転車が挿入されています。これもその一つで、これほど
雪が降る日も珍しい事からこの日は長靴を履いて徒歩で街中を半日ほど隈無く散策して探し得た貴重な場面と言えます。
奥に番犬だと思いますが兎に角よく吠える犬で当家は勿論ご近所にしても覗いてはカメラを構える私を不審者と勘違いした人が居たかも知れません。こういう時のオートフォーカスはなんとも頼り甲斐がなく降る
雪に絶えずピントが合ってしまいがちです。何回シャッターを切ったでしょうかピントが自転車に来たのはこのたったワンカットのみでした。昼間とはいえ悪天候で露出が上がらずそれでもできる限り絞り込んで撮ってどうにかワンちゃんと家の壁にもピントが来てホッとしています。
自転車の移動時もそうですがこの所の撮影取材で多用しているのが
コンデジでソニーの
RX100mark7になります。それなりに良く出来たカメラで解像度は申し分なく同じ画素数のデジイチと比べてもレンズ交換が出来ない以外はほぼ変わりません。腰のベルトにつけたポシェットに忍ばせて素早く取り出してさっと撮る行為は実にスムーズこの上なく、ましてや自転車に伝わるギャップなど路面の振動は精密機器にとって悪影響しかありませんので当取材システムは理に叶っているのでしょう。
まあそれでも歩くよりはどうしても通過が速い自転車ですので見落としは起こります。歩いて拾えた特ダネもそこは多少問題ありかとは思っています。志向を変えてのたまの徒歩散策も怠らず今後も取材は続きます。次回の予告ちょい出し第2弾もお楽しみに。
コメント
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花を踏み潰して去っていく人もいます。
それを連想させる画像になると、この令和の時代クライアントも使うことに
慎重になる可能性がありますね。
2022/06/11 URL 編集
写真家・CGクリエーター:石関ハジメ
そういう意味では今回の作品タイトルには結構そういう場面は多いです。その場所は休耕地であったり先の土手沿いなど何処も管理された観光用のレジャー施設とは違いますが、確かに見ては安易にところ構わず入りたくなる人はいるでしょうか。今は人が遠目に写る街のシーンもその人物が後ろ向きで極めて小さく明らかに典型だったとしても預からないケースが増えましたし、なかなかやり難い厳しい時代です。ご指摘ありがとうございました。
2022/06/11 URL 編集