本日6月18日、アドビ製品が全面クラウド化に完全移行し実施されました。スイーツ版と単体製品も含めて月額(年払い有り)使用料金制で借家でいう一方的な賃貸契約を結ばされるという訳です。
旧くはCSの時代、バージョンが2になったあたりから不正コピー(譲渡)防止を目的にネット経由での監視強化が図られるようになりましたが、その頃になると国内外にそれまで市場を分けていた同ソフトウェア分野のシェアーをアドビシステムズがほぼ独占。ライバル会社の撤退が顕著になったのを皮切りに、利用規約が更に厳しくなるとともに旧型パソコンを見捨てるような偏った機能変更を増々拡大していきます。
そこで登場したのが、忌まわしいスイーツ戦略でした。一言で言えばまさに「高額な抱き合わせ品」に他なりません。予め利用価値の高い製品がまとめられてグループ化されていて必要な人たち、取り分け法人系にとっては大変有り難い側面もある反面、趣味で日曜作家を楽しんでいるアマチュア層にとっては余りにも高額設定を余儀なくされた形です。
そんな中、昨年いきなりクラウド製品(サービス)が唐突に登場し、まずは市場調査が目的だったのか試験的に低価格帯製品の販売が開始されました。昨年の暮れ、正式なクラウドサービスへの全面転換を伝える通告ともとれるメールが届き、開始時期と月々の契約料金が正式発表されて本日に至ります。
この移行に伴って従来の永久ライセンス商品(CS)はバージョン6で終了し、今後は全てクリエイティブクラウド(CC)のみでの提供になります。振り返ってみれば、アドビを含めこれまでの多くのIT企業がこの手を使って収益増強を図るケースを嫌なほど観てきました。
デジタルコンテンツは一度作ってしまえば、その後の制作コストがほぼ0のままアウトソーシングによる流通と管理保全のみとなる事から、何かの大きなトラブルが発生しない限り利益まる取りという構図になります。経営者にしてみれば、そこの所が美味しい訳で、だからこそ事業をやる意味があるというもの。
大企業ともなれば世界の各拠点に従事する数万人を超える従業員の生活を守り、次期製品の研究費と開発に掛かる諸々の経費を賄いつつ最強ライバルを押しのけながら利益を上げて株価については投資家の顔を絶えず伺っている、さぞ神経もすり減る事なんでしょう。
しかし5000円/月×12ヶ月=年間60000円の支払いは結構きつい。5年間利用すると最上級スイーツのマスターコレクションの購入価格と拮抗するほどです。アマチュア層のそれも一部のソフトしか使わない人にとっては単体購入(2200円/月)にしても無駄が極めて多い気がするのは私だけでしょうか?
更にアドビの事なので、年が明けたところでまたユーザーにとっては頭が痛くなるような回避不能な姑息なサービスとやらを仕掛けてくるかも知れません。
ここまで文句とも苦情ともとれる内容を書いてきましたが、実際のところアドビのメインユーザーの殆どが今はプロフェッショナル環境の方々(企業)が大半であり、それなりの継続的収益が保障されている下で使うソフトになっちゃったのですね。
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