いつまで続くストックフォト四つ巴の構図

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時代変化に文句たらたら>
今やストックフォト素材販売はピンキリと言っていいくらいにその入手方法は様々存在しています。かつてRM(ライツマネージド)方式で数ある販売代理店が有する素材といえば全て各々完全オリジナルであり、それでも各社を見回すと確かに似たタイプのビジュアルは存在していましたが、あくまでそれはたまたま時期場所同じくして撮影されたとか同じカメラマンがやや構図をいじったバリエーションの幾つかをお叱りを避けつつ半ばグレーゾーン的に他社に分散させていたという事です。

その頃は価格帯にそれほど幅はなく利用先の条件はどこもほぼ暗黙のうちに統一されていたと思われます。つまりは広告界を基準とした当時の常識的な業界ルールと言えるかも知れません。結果として多くの商材が売れて景気バランス健全にストックフォト市場が回っていたのです。その後デジタル技術の向上で割安になってきたCD-ROM(シーディーロム)商品が台頭してきました。当初はそれなりの高め価格で既存代理店とそれほど乖離していなかったと記憶しますが、ある時点から突如1万円を切るほどの価格破壊が起こるとそのお得感からストックフォト業界に動揺が走ります。

50〜100点収録ものが当たり前に10万円弱で売られていたものが200点6,800円になればそりゃあ問題にもなります。ところがそれから数年後今度はインターネットを利用したECショップ方式が標準化されて、時代の要請でしょうかこれは老舗店でも躊躇なく導入されより利便性の高い検索機能の進化から今も変わらずメインの窓口として活用される最も理想的な販促スタイルと化しています。

実は作品を撮って(作って)預けている側すなわち契約作家の面々にとっての不利益が増大したのもこのネット通販の導入後からでしょう。人を介さない半自動化に加えサーバーシステムの設備費その維持管理費などの負担を理由に取引価格(按分)割合が売り値の3割ほどまで下げられます。勿論一社独占素材については5割を提示する代理店もあるので一様に文句を言えるものではありませんが、しかしかつての7〜8割などは今となっては夢の後です。

ネットをググるとその辺りの分配率に対して苦言を呈している人が何人か居ます。曰く「そもそも代理店とは流通窓口業務の立場であって常識的な市場原理を無視した利益の取りすぎに値する。発想をしそれを独特のデザインに落とし込んで効果的に視覚化した天性の能力を駆使する発案者にもっぱら報いるべきでありむしろ按分は逆転すべき」と唸っています。つけ加える形で「あなた代理店勤務の方の中でお金を稼げるレベルの優れたビジュアルをひょいひょい作れる人、クリエイティブでウィットに富んだ写真がバンバン撮れる人ってどれだけいますか?何か勘違いしているんじゃないですか?」まあこんな言い草になります。

当然私も同じ意見ですが何せ『力関係』が全てで強力な対抗勢力には到底なり得ません。下手をすれば「契約解除」を言い渡される弱い立場の人間と言えばそれまででしょう。いつもながら前置きが長くなりましたがさて、今回の本題に入りたいと思います。今タイトルの『ストックフォトの四つ巴(どもえ)』とはさて何を指すかと言いますと、つまりはストックフォト業界で並行的に存在する大きく分けて4種の販売スタイルの事です。


住み分け出来ぬ四つ巴>
一つ目が以前から存在する高級路線を維持するストックフォト、二つ目が2008年ごろから始まった低価格販売を主とするマイクロストック、三つ目が広告収入を糧とする無料素材提供、そして四つ目がここ最近注目を集めるSNSへの投稿画像(動画)の商品化になります。一つ目のいわゆる老舗代理店では以前からレベルがまちまちなアマチュアさんを概ね遮断しその質の高付加価値を売りにしていますが、以下マイクロその他はアマプロ大歓迎で『何でもあり』を核に兎に角在庫量膨大にその作品収集を主体として大幅な価格破壊を以って市場占有率拡大に全力を注いでいます。

それでも最近は質低下からのトラブル、見返りのあまりの安さから優良なる契約作家の離脱が相次いている事でそこそこセンシティブ対応の高級価格帯路線に目を向け始めたように見えます。ただ、業態お得意の無料画像をむやみに配って実勢を伴わない無意味な『タダ客推し』の継続、合わせて底値限界点とも思えるまとめ売りの反乱は各社今も相変わらず続いています。

三つ目の無料画像業者のバラマキは実に困ったものでアフィリエイトを主とする一つのビジネスモデルと言えばそれまでで法律にも抵触しません。しかしながらこちら関係の経営者は上記マイクロ同様に客を『タダ推し』すればするほどストックフォト業界を破滅に向かわせていると知っているのでしょうか。人物ものやテーブルフォト、風景季節イメージ、リゾートからメガシティーの景観含めそれなりのレベルに達してきている現状からは単に危機というよりも絶望に近い気もしています。

通信3大キャリアに対する値下げ指示もそうですが、ここは国としてこういった輩が国力の更なる低下を招きかねない危険分子と断罪し即刻規制して排除を念頭に尽力願いたいところです。表向きは一見すると社会のために尽くしているようにも見えますが本性として結局自身の懐(ふところ)最優先なんでしょう。さんざめちゃくちゃやっておいて商売が成り立たなくなれば業界の退廃もいとわず知らぬ顔でその場からすっと居なくなる拘りの欠片もない志無き無策な経営者だと思っています。=ただし悪慈恵にはズバ抜けて鋭く長けた人たち。

四つ目これが最後になりますが、SNS絡みでビジュアルを集めて商売するやり方はインスタ投稿を商材とする『スナップマート』が有名です。今だと結構名の知れたインスタグラマー(インフルエンサー)辺りの個人もこぞって参入しているそうでこちらもいよいよ乱立しはじめている様相です。ただしそんな状況で本当に儲かっているのでしょうか。動画も含めそれなりのビジュアルは存在しますがいざ広告利用となると肖像権やなんやの当然ですがゴタゴタ権利関係をはらんできます。

また、絵図ら(タッチ)もどこか中途半端でどこの企業がどう使うかの目的の曖昧さもかなり気になります。中には800万画素程度の低解像度記録のスマホ撮影も結構な数あって「これいいな」と思ってそれなりの料金でチョイスしたのはいいが、えらくノイズだらけでA4印刷にとてもじゃないが耐えられないというようなマイナス面も全く無いとは言えません。フィルターか何かで酷くいじった画像は素人目にはよく見えても後で責任問題にも繋がるプロの目は簡単には騙せないと思います。


世の経営者よ目覚めよ>
使い道予算様々で利用者単位で見れば一概に意に反するそれを全否定するものではありませんが、少なくとも『価格破壊』は存在します。誰も儲からない、国力衰退、結果賃金低下、デフレ継続、結婚できない、消費税増税大反対、年金足りない、老人よ早く死んでくれ!もいいですが、安いモノねだり本意のそんな方々に改心してもらわなければ何も始まりません。

企業だって利益削って多少でも給料は上げれるんだと思うのですが一向に後ろ向きです。世の事業者さんの多くがそもそもデカイ借金なんぞ抱え込んで自転車操業を繰り返していることに問題があるにせよ社長自身が社員の10倍は欲しいプライドならぬある種の優越感を味わっている面は大いにあると思います。このところ様々マスメディアで盛んに取りだ足される問題として誰もが身勝手にそんな勝ち負けの格差思考に固執し続ければ日本経済は数年後とことん回らなくなると警鐘を鳴らします。

そうなってから「俺のせいじゃない、政治が悪いんだ!」と叫んでも後の祭り、もう安売り安請け合い安雇いにさよならしませんか。まさに『経済の復活するは心のゆとり豊かさあって』ですから。

上掲画像はお馴染み『MIX』からの抜粋画像です。何はともあれ市場は『勢い』が一番。


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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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