ボケ具合が凄まじい>今回が次期新作『新緑』画像素材の予告編最終回となります。こちらの画像は「何?これってどうやって撮ったの?」と聞きたくなるほどに異様なソフトフォーカス感が溢れています。実は相当以前に試しに購入していた特殊なソフトフォーカスレンズを使用して捉えたものなのですが、最近はこのようなレンズは発売されているのでしょうか、あまり聞きませんね。
確かニコン(ニッコールレンズ)単焦点タイプの中望遠レンズにそんな機構が組み込まれていて、絞りリングの調整次第でボケ具合や質をコントロールできる当時は画期的ともいえ一時は注目もされたようですが、その後製造は終了しました。価格もそれなりに張ったと思いましたがその辺がネックだったのでしょうか。
私の購入したレンズはそれほど高価なものではありませんで、今も変わらず新聞広告でよく見かける通販レンズに近いと思います。やはり当時は各カメラ雑誌でも大きく取り上げられてまた思いの外格安とあって購入者も多かったのではないでしょうか。レンズマウントは注文時に販売窓口に伝えてはじめからネジ止め固定で配送される仕組みでした。
このレンズめちゃくちゃ>その名を『キヨハラ』レンズと言います。焦点距離は2種類選べたでしょうか、価格は当時3万円しなかったと記憶します。今も防湿庫に大事に保管されているというマニアさんもおられると思いますが、たまに外の空気を吸わせて上げては如何でしょうか。
こちら上掲画像はおよそ1メートルの距離から撮影しています。勿論当レンズはマニュアルフォーカスでピント合わせはファインダーで確認、ただ残念なのがヘリコイドに記される距離目盛がかなりいい加減らしくファインダー内の合致画面と比べて焦点の距離によっては数メートルものズレが確認できます。距離メモリを信じて予めピント位置を固定で狙うには不向きと言えます。
更に問題なのはファインダー直視によるそんなピント合致位置でもピンボケが起こるという事です。とても厄介な癖の塊レンズで取り回しにはそれなりの工夫が伴いますのでそこは覚悟が必要です。私の場合は試写を繰り返しヘリコイド(ピント合わせをする鏡胴部)に別途印を付けてそこを基準に、やや運も含めて構図決定以外ノーファインダーの目測で撮影距離を定めています。面白いものでその状況でファインダー視はピンボケでも写ったデータはジャストピントなのがほんと不思議に感じます。
遊びごごろが蘇る逸品>そしてもう一点がボケ具合の調整です。どのレンズも絞りを開けて開放値に近づければピントの合う範囲が徐々に狭まりそれなりに背景のボケ度も強調されます。アウトフォーカス即ち味わい深いなんとも言えぬその場のニュアンスが生まれるそこにこそ本来写真が持つ楽しさがあるのかも知れませんが、この当レンズ使用時仮に絞り開放で撮影したならボケが凄すぎて訳が分からないまでの描写に陥ってしまいます。被写体のコントラストある無しにも関連して見え方が極端に変化し過ぎるのでこの点でも構図に工夫や注意が必要になるかと思います。
撮影表現は無限ですので是非このようなレンズを積極的に使用して一般の思考を超える独特な写真にチャレンジするのもオススメです。ヤフオクとかアマゾン等ネット通販でチェックしてみれば程度はともあれ、もしかするとどこかの誰かが捨て値で販売している可能性があります。
という訳で今回は次期新作紹介と合わせて不思議なソフトフォーカス『キヨハラ』レンズをご紹介いたしました。さていよいよですが来月3日(月)、『新緑イメージ』の新作素材を公開させていただく予定です。お楽しみに!
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