素材とキーワードは一心同体>大それたタイトルを付けたものだと我ながら恥ずかしい面はありますが、本音で言えば自身もこの『効く検索キーワード』たる極意を持ち合わせている訳ではなく、その都度試行錯誤の末おおよそ在り来たりに近い埋め込みが多いとは思います。ところで皆さんが日頃ストックフォト画像(動画)の納品の際、そこに埋め込むキーワードにはどんな工夫をされているでしょうか。
もっぱらマイクロをやられている方の多くは写真専科の方だと思いますが、風景や小物撮影(テーブルフォト)、知り合いに頼んでのモデル撮影もあるでしょうし中には独特な作風でむしろアートに近い作品制作などかも知れません。風景でいえばそれこそ色々あって旅の途中で捉えたものに絶景あり道すがら見つけた草花、朝夕のドラマチックな陰影、都市空間、季節の催事(花火・お祭り各種イベント)、街角スナップなんかも比較的気軽に撮りやすい被写体です。
ただそうなると預け入れるライバルもそれなりに出てくる訳で預け入れる作品は相当に重複すると考えられるので、ここで所謂上述の『効くキーワード』の埋め込みは他者に勝つ最重要項目になると思われます。もちろん作品(素材)の出来不出来もヒットを左右する訳で一概にキーワードさえよければいいとは言いませんのでその辺はあしからず。
当てにならないキーワード補助機能>さてそんな『効くキーワード』の埋め込みですが、一般に投稿型ストックフォト(マイクロ系)に多く採用されているのが予めプログラムされたシステムによって登録中の画像からその趣旨に関係するであろう言葉が自動選択される補助機能は大方代理店さんの大半が運用されていると思います。ですので後は納品者側が不必要な的外れのみ文言を取り除けば納品の手間は相当に短縮されるのでしょう。いやそれでも巷では再記入の手間など無駄な時間をなお要するという苦情はチラホラ散見されます。
私も時たまそんな自動キーワード補助機能がメインの代理店サイトをチェックして見て回ったりもするのですが、正直めちゃくちゃだなと感じます。漢字にするべきところが全てひらがなであったり検索側のお客さんが「この言葉ではまず検索は掛けんだろう」的な単語や文言が8割がた存在し、とてもその自動補助機能が有効に働いているとは到底思えない訳です。驚く事にあるサイトで文字群の右下の『もっと見る』をクリックすると更に数百語余りが溢れんばかりにこれでもかとすだれ状に出てきました。
そのどれもが同様に訳のわからない言葉ばかりで「いい加減勘弁してよ」と言いたくなります。このどこかの言葉に引っかかってヒットするのか、はなはだ疑問にも感じ事知れず虚しさが込み上げました。
最強キーワードはトレンドにあり>前置きがまたまた長くなりましたが、要はお客さんが好んで入れてくれそうな言葉を適時的確に数も厳選した上で埋め込むのが理想というのが私の考えです。いいとこ20キーワード程度を埋め込めば十分ではないでしょうか。実際に有名どころの国内大手老舗代理店サイトを確認すれば載せている数はどこもそんな程度ですし、いくら大量につけても適当なところで間引かれてしまいます。
それでは早速作品それぞれに合ったまさに『適時的確』とは何かについてお話しいたします。私が多く納品するCG素材を例に挙げると解り易いと思いますが、仮に地球上にネットワークの線が入り組む形で無数に取り巻いている画像だとしましょう。まず一般につける言葉は以下の通りです。
地球、ネットワーク、データ送信、高速、コミュニケーション、インターネット、グローバル、日本(主役の地域)、テクノロジー、全9項目この辺りが妥当ではあります。しかしこれでは他の作家さんもほとんど同じ文言の可能性がありますので、実はこの先が重要なのです。今元気で宣伝盛んな業界やその関連業態はどこか、更に具体的に何を司る会社が注目されているか、たとえここしばらくネットに押されて元気がない書籍業界でもいいでしょう。それでも一部こだわりの雑誌等々で元気がある部門は確実に存在しています。
その内部のどの部分でそんな『グローバルイメージ』が頻繁に活用されているのか、ヒントはもっとそんな深層部に隠れています。そこの『担当部署が検索しようする言葉は一体何か』の『文言』探しが勝敗を分けると言えるのです。探す側も他社を横目にターゲットの視線を奪う一味違う有効なアイテム探しに翻弄している事は間違いありませんし、売り込みのプレゼン現場や大手企業が定期的に発行する社内報にしてもそうです。
その時々で特に回転の速いWeb系では当然ですがとにかく欲しい素材は頻繁に変わりますので、求めるキーワードは絶えず流動的であるとも言えるのです。という訳で先の『地球がらみのネットワーク』イメージに当てはめるならばプラスこうなります。
スマートシティー、ネットスーパー(ネットショッピング=ECサイト)、宅配、東南アジア、セキュリティ(監視)、新エネルギー、自動運転、ドローン、5G、ビットコイン(仮想通貨=電子マネー)、スマホ、貿易(貿易戦争)、流通、運輸、金融、インバウンド、電子書籍、IoT、IT、AI、人工知能、パスワード、半導体、SNS、ブロックチェーン、ベンチャー企業、イノベーション、未来、シェアリング、協業、連携、ビジネスモデル、情報システム、スピード、フィンテック、繋がる、ビッグデータ、クラウド、接続、通信、スマートメーター、海外勤務、世界経済、マーケット、インフラ、フリーミアム等々思いの外書き出しましたが如何でしょうか。多少無理があるものも散見されますし、代理店側でカットされる事も承知で当てはめた面もあります。上記の各々文言(キーワード)からはつまり今がトレンドと思われる事柄が意外に重要であるのがお分かりいただけたかと思います。お客さんはその分野に適した目的としてより効果的で必要な素材探しをしている訳なので、言葉が専門的であればあるほど預ける側に取っても合わせてライバルさんが居ないに越した事はなく無論有利に働く筈です。
検索するお客さんがもしも『クラウド関係者』『情報システム』『仮想通貨関連』『携帯電話会社』はたまた電気屋さんかも知れないのですから、そこに近いキーワードをそれなりに打ち込む確率は大いに考えられるのです。言ってみれば特殊なキーワード群でもありますし、打ち込んで出てきた点数が数点で僅かだったとしてもそこに私のそんな『グローバル地球』が目の前に現れたならば思わず合点がいって「これでいいや」となる事だって、決して単に滑稽な話と言い切れるものではありません。
目から鱗とは行かないまでも皆さんの何らかのヒントにはなったでしょうか。ここで言う『皆さん』ですが、預ける作家側の視点とそれを探すお客さん側の視点どちらにとっても最良の巡り合いに通じるより強力なキーワードを是非見つけ出していただければと思います。本日はこの辺で。
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