既存型ストックフォトの厳しい現状とその打開策について第二弾

タイトル『Yellow and Blue』よりひまわり画像


打開策をマクロ化>
本日より本格的な夏の入り口7月が始まりました。それにしてもここ関東一円はかつてない6月中の『梅雨明け宣言』もあり兎に角毎日が猛暑続きで気力も体力もはや限界というほどに嘆きの仕事現場もきっと多いのではないでしょうか。無理をせず水分補給も頻繁に何卒お身体お気遣いあられますようお祈り申し上げます。

さて今回のテーマですが、実は当タイトルは一昨年2016年11月28日このブログにて一度扱った内容でして『第二弾』とありますように執拗にその辺を更に掘り下げてみたいと敢えて再び取り上げてみました。前回では主にユーザーの購入の流れの変化からの私を含めた作家の厳しい現状を報告し且つその有効な打開策をあやふや程度でお伝えしていたかと思いますが、そこを今回は視点を変えてより具体性のあるマクロ的な観点でお話しできればと考えます。

何はともあれ正直今のストックフォト業界の現状は厳しいものになっています。マイクロストックの台頭とともにそのお客さんの流れは昨今の急速なウェブ環境への移行も手伝って極めて最悪な価格破壊へと舵を切っていますし国内老舗大手にしてこれ以上の有力な施策の手の打ちようもかなり限られつつあります。

更なるしわ寄せの不安>
そんな代理店側の立場を察すれば考えうる最後の手段として使うのが契約作家へのギャランティ比率の更なる引き下げになるでしょうか。現在は概ね売り値の3割が作家に入ってくる訳ですが、これを2割五分ないしは2割以下という具合に、いわゆる実績如何に応じたより厳しい(厳格な)支払い額が後に設定されていく可能性も否定できません。

そうなれば作家の逃げ場が完全に絶たれる訳で上述のマイクロ同様に「好きならやれば」的な冷酷な対応に甘んじる事になります。結局お客さん激減の弱小マーケット化をひた走るプレミアムストック代理店にとって売れない作家はお荷物お払い箱という訳で出来るなら短期で振り落としてしまいたい。と、投げ売り譲渡も辞さない経営資本の圧縮と過度なそのスリム化を狙って経営陣にそんな思惑があっても決しておかしくはない筈です。

きっと既に弱い部署を抹消し従業員に対する半ば強引な配置転換やリストラ、幾分かの降格減給等々が行われているのでしょう。という訳でそれではこんな無残な状況下に於いて我々作家側としてどうしたらこの先生き残っていけるのかを今年2018年版として改めて考察していこうと思います。

まずは確率で考えよ>
お客さんが少なくなれば売れる素材点数も減り尚且つ一点の売り上げも連動して低下していく事は既に皆さんもここしばらくの実績としてご経験されているかと思われますが、つまりは隆盛期の頃から同じテーマを担う作家さんの数はそのままでありそこに購入時の分散が顕著になるのは当然です。例えばお客一人居て同一内容の素材を作家Aが10点、Bが5点、Cが2点と預け入れしているならば当然確率として単純に作家Aがセレクトされる可能性は高いと思われます。

登場する検索ページの前後でも変わってくるでしょうが作家Aは他二人と比べて単に数が多いだけでなく内容バリエーションなどに概ね幅があるに違いありません。となればお客にとって選びがいも出てくる訳でそこで決まる事は大いに理にかなっています。1ベージに2〜3点出てくる人と飛び飛びで計2点の人では命中度のその格差は計り知れません。

ただ内容如何では作家Bの5点もそれなりに健闘し得る位置にあると思うので最後は攻め方次第になるかなとは思います。まあそれでも物理的にそれなりの物量はあって然るべきで売り上げを左右する有効なセオリーのひとつと思っていいのではないでしょうか。

売れるテーマに集中>
二つ目として言いたいのが、何はともあれやはり『売れそうなテーマに集中せよ!』です。マイクロストックさんの多くはモデル撮影専科の半ばプロフェッショナル(法人系)以外の人でいうと大概が趣味(お小遣い目当て)感覚と考えますが、そういう方たちの日頃狙う被写体というと行き当たりばったり型?で公園で花を撮ったり旅行の合間に風景をパチリ、ただでさえそれが季節に特化した桜や花火に限定だと売れる期間が初めから相当に狭まる事はもはや細かく言うまでもありません。

できれば一年を通して、それも多方面分野(業界)に売れて欲しい訳なので狙い目はより明確にして横道はほどほどにそこに大方集中する必要が出てくるでしょう。これまでの実績を振り返り客観的に『何が多く売れて何がダメか』はその都度定期的にチェックする事は重要です。またつまりは世間の『トレンド』を日頃から制作する作品のヒントとして常に意識反映されているかです。

既存の誰でもやりそうな有り触れたネタの量産を繰り返えしていては勿論突破口は見えてきません。今何が流行っているのか、今後どんな時代が来るのか等々をテレビを見たりネットを通じたりはたまた街のながら歩きから出来るだけ多くの情報を吸収する事で想像力思考力をフル回転させる、競合他者に打ち勝つためには頭を遊ばせている暇はないと思いましょう。

ダメもとコミュニケーションの重要性>
そしてこの打開策第二弾の最後になりますが、並行して行うべき必須項目として『代理店窓口担当者とのやりとり』は結構外せません。ご存知の通りその窓口担当者さんは決して素人のパートさんではありません。それなりの高学歴且つ専門を各所で学び謂わば作品選びのエキスパートであり、中には大手代理店に永く勤めそこで得られた時代変化に伴うユーザー動向に敏感で作品の良し悪しが大いに読める優れた人たちです。

そんなプロとコミュニケーションしない理由がありません。作品を預け入れるタイミングであるとか気になる案件などメール等で構わないのでその都度すかさず連絡を入れ何らかのアドバイスを受けるべきでしょう。合わせてこちらから提案としてサイトの改変時に合わせて自身にとってある種の有効な要求をしつこくならない程度に発してみるのも一考です。

いくら現場のプロとして市場に精通していても意外にある面で抜け落ちている妙案が隠れている場合があります。代理店側も正直次の一手に苦慮している訳で、ヒントは喉の奥から手が出るほど欲しているに違いなく時にそんなやや強引と思える要求が通ったりもするでしょう。他者作家さんと差をつけるこちらも一つの効果的な作戦と私は考えています。

視点を変えて今回は『個人で今出来ること』をテーマにマクロ域で呟いてみましたが如何だったでしょうか。この期に及んで業界の言い訳話をしても始まりません。そこを個人作家としてどう乗り切れるかが最も大事です。悩んでも悔やんでも誰も助けてはくれませんし、むしろ他者(ライバル)からすればメリット上自分と同じ場所から1日でも早く消えてほしい訳なので何としてもそこは踏ん張りどころです。身を引いたとして「そうかそうか」と言って慰めてもくれない非情の世界なのです。「イヒヒ、いいざま」ってなところで終わりでしょう。

私も結構大変な状況である事は否めませんが、今後も脱落しないよう貴方と共にいい夢に向かってその力をもう一絞りして踏ん張っていきます。

因みに、只今新作を公開準備中。乞うご期待!



正式に『夏』になった訳なのでタイトル:Yellow and Blue の抜粋よりひまわり画像をアップしてみました。以下リンクで詳細を是非ご覧ください。

→DEGIGA.JPサイトにてタイトル『Yellow and Blue』をチェックしてみる。


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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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