
最近よく聞く言葉に『AI(人工知能)』があります。かなり以前から、かのSF作家がこぞって描いた劇画の中の『ロボット』がその代表例ではないかと思いますが、まさに今それが現実になろうという時代に差し掛かっています。インターネットの普及からあらゆる国の文化や歴史、社会情勢など多岐にわたる分野を網羅した情報が高性能化したコンピュータ技術とソフトウェアの活用でそれらは膨大な計算式の中リアルタイムかつ瞬時に解析されて、所謂『ビッグデータ化』に及んでいます。
その蓄積される知識そのものが更に事案を解決するシステムに組み込まれる事で、多くの局面に於いて極めて誤差の少ない計算の末そこで出た答えがほどなく多くの生活空間に生かされていると言えます。一般にオートマチックとかオートメーションなど普通に会話に出てくる事柄から、それは勿論人間の操作をできる限り簡略化させた第一次産業革命から数えて数百年余り、効率優先主義的文明の発展に寄与してきました。
第二次がその自動化の最たる時代であり大量生産と大量消費真っ只中で景気はすこぶる良好に推移していた訳ですが、その後90年代中期にあのコンピュータの普及とインターネット網の出現は更なる自動化を促進しました。それでも当時驚くほど巨大なデータでさえそれを大量連続的に世界中あらゆる地域に時短で転送できる今を想像できたでしょうか。人類の比類なき向上心には感服させられてもはや久しいほどその変化のスピードの著しさは驚異的とも言えます。
冒頭の『AI(人工知能)』の進化ですが、将棋や囲碁の世界では数百手以上の先を読みまたその確率を詳細に分析できるハイパーマシン自体が途中で故障しない限り既に人間にほぼ勝ち目はない状況になり得ました。やや話は飛びますがそういう意味からさて『自動運転』についてはどうでしょう。
今まで長きにわたって化石燃料を燃やして起動する内燃機関を巧みに調整して乗り心地や燃費等々を随時向上させてきた自動車産業界に直近で突如巻き起こった新エネルギーへの切り替え騒ぎです。電気を併用するハイブリットに始まり環境問題の高まりから各種燃料電池車の開発に割り込む形で唐突に事業化が進みだしたEV(電気のみで走行する)車分野という具合で、高々ここ数年の話です。
そこへ来てアメリカの自動車製造会社『テスラ』がスポーティかつ低価格帯の電気自動車開発に成功し販売も好調の中、やや遅れをとった日本勢も巻き返しに躍起ですが、そこへテスラはまさかの『自動運転システム』を導入、公道を事前のプログラムに沿って人を必要な目的地まで運べるところまで来たというのは疑いのない信実です。それこそこの自動化技術はどこまで発展していくのかワクワクします。が、
実はこの進化には相当に危険な未来が待ち受けているとも言えます。世の中に近い将来満遍なくそんな自動化が当たり前に蔓延れば人間が働くべき場所はどうなってしまうのでしょうか。日本国内で今頻繁に話題に上る『少子高齢化』『2025・2036年問題』に伴う労働人口低下を思えば確かに数百万人規模が必要とされる当面の外国人労働者受け入れも仕方ない訳ですが、各業界で画期的な自動化生産やロボットによる輸送、販売サービスが可能になった頃国際社会にそれらすべての人間労働力は必要なくなります。
未だ不景気風に対抗すべく各企業の大部分が常にコスト削減に苦慮している昨今に於いて事業維持には欠かせないそこは必然な訳です。まず先に手をつけるのは人件費でしょうしローコストの機械利用で済むのならそちらに躊躇なくシステムチェンジしていきます。そしてその時点でどうしても機械のできない劣悪な労働環境下で、兎に角経営コストに見合った極めて低い賃金で期間労働させられるという酷な一般国民の将来の姿(運命)が見え隠れします。
私の若かりし昭和という時代は中高卒でもそれなりに余裕ある賃金は貰えていましたし直接売り込んでいきなり最初から正社員になる事もできました。各種保険完備と諸々経費は会社持ちで年に数回の慰安旅行に忘新年会は当たり前。普通にそこらの小さな町工場勤務でさえ当時で若くして月給が30万円超だった人も少なかったと記憶します。今だったら概ね45万円くらいにはなるかと思います。
今後間違いなく訪れる未来型の自動化は便利とは相反する『本来あるべき人々の豊かさ』を蔑ろにし差別も相まって、ほんの一握りの勝ち組たちが横暴にもそれを不可逆的ゼロに押し戻してしまいかねない末恐ろしい悲劇的社会構造を引き起こす第4次産業革命となり得るかも知れません。
ただしかし一つ抜け出せる方策があるとすれば、これでしょうか。
「ある程度の費用を掛けてでも今後必要とされるであろうスキルを学び成長基調に乗る副業を通して来たる実践や雇用に向けた力をつけておく、できれば一つでも多く」です。
今回の上掲画像を改めてご覧ください。『ELEMENTS・EX PROJECT』という文字が記されています。さてこれは一体何を表しているのでしょうか。詳細は次回このブログでお話ししようと思っています。お楽しみに。

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