ソニー α9:ボディのみ税別50万円前後豊洲汚染から始まって森友と続き防衛問題やら最近では加計問題も相まって何かとバタバタする日本国内ですが、もちろん景気に沸いている訳もなくコンビニの値下げと鳴り止まぬブラック企業への悲鳴等々市場は格差を更に助長し得るますますの疲弊感に苛まれています。
私の今の仕事は100%ストックフォトな訳ですが、当然ながらそんな世の風潮をもろに浴びている一人でもあります。売値は日増しに下がっていき思うような収益が得られない現状に於いて、構想は抱えつつも次なる一手に必須な新型機材へのリニューアルなど夢のまた夢であり、まさに国会の牛歩戦術をも彷彿させる状態という感じで一向に前に進めない訳です。
富士フイルム GFX 50S:ボディのみの実勢価格は税込80万円前後むしろアマチュアさんの方が生業で蓄えた余禄から思いの外高級機材を手にしゴージャスな写真ライフに勤しんでいるかと思うと流石に心もとなく、「俺プロだよな」と改めて自身の立ち位置を疑いたくなる今日この頃です。
今回ご紹介する最新の高級撮影機材画像について皆さんの多くが思わず期待に胸弾ませそうなスペックや実写体験、事例等をお見せする事は上述の現状から一切出来ませんが、兎に角ムシャクシャする中で思い立ったので書きました。
まずメーカーさんに聞きたいのは、このところとかく高額機材の発売が各メーカーともに連続しているなという印象です。と言いますか、デジイチ並の性能と謳っては見た目5、6万円程度で売り出せそうなミラーレスカメラが10万円を遥かに超えてモノによっては20万円も当たり前になっています。
オリンパス PEN-F:税込15万1,000円前後(ボディ単体)、税込20万4,000円前後(12mm F2.0レンズキット)確かにその中の最上級機という位置付けなので、ソニーのサイバーショットも以前から10万超えは有りましたし不思議に思う方がおかしいかも知れません。ただ今のご時世に逆行しているように見えるのは私だけでしょうか。先日もソニーさんの新型デジイチα9が発表されましたが重厚感にやや欠けるコンパクトサイズにも関わらずそのお値段はボディ単体でなんと50万円と、目を疑いたくなる超高額設定です。
ほぼ同時発売の新レンズ群ラインナップを見るにつけおよそ一般人には手が届きそうもない超高額製品が大部分を占めます。惜しげも無く開発資金を投入したその結果がこの有様では如何なものかと思わざるを得ませんが、実のところこの金額設定でどれだけの需要が見込まれるのでしょうか。
どのメーカーさんも他社を圧倒したいという思惑からの『渾身の一台』に社運(ブランド力)を賭けている部分もあるのかとは思いますが、そこに潤沢な需要(マーケット)がなければ一体誰がそんな高いモノを何回購入するというのでしょうか。理解に苦しむところです。
キヤノン EOS M6:ボディ単体が税別9万円前後、15-45キットが税別10万5,000円前後、18-150キットが税別14万円前後、ダブルズームキットが税別13万5,000円前後裏を返せば謂わば苦しい台所事情の表れであり、「こうでもしなけりゃ保たないし家潰れちゃう」的な事のようにも捉えられますが実情はさて如何なんでしょうか。横浜で毎年恒例で行われる某カメラ機材ショーに異変がありました。期間中の来場者の数にはそれほど極端な減少傾向は見られないまでも、まずは来場者の顔ぶれです。多くがご年配者で溢れそこそこ若い方はイベントの関係者という雰囲気が配信される画像と動画から明らかにそう伺えました。
メーカーさんの各ブースにもそれほど活気がなく既存機の展示が目立ち、つまり注目機材の発表がどのメーカーとも極めて少なかった事が若者離れに拍車を掛けたのでしょうか。そしてそこに来て高額機材ばかりで軒を閉めれば直されです。ライカやジッツォなど予め贅沢品と思えるモノはそれなりに有って然るべきと思いますが、今年ほど新鮮さに欠ける感は否めません。
※あくまで私感ですので悪しからず。
少し逸れますが、先日の東京モーターショーでも外国車勢の出店取り止めが相次いだらしく貧相なそんな状況を鑑みれば、外見からも「奇をてらわず相変わらず惰性でやっているな」とこの世に及んでどの業界も同様にそう取れそうです。この大きな主因の根源には間違いなく『社会格差』底辺層人口の増大が関係していると言えます。
シグマ 12-24mm F4 DG HSM | Art:税別22万円気づいてはいてもどうする事も出来ず、「買える人にいい製品を高く売る」を合言葉に、より一層の上質さを誇らしさにここまで来たのでしょうからもはや市場の相当な限界はすぐそこまで来ているように感じました。お金に余裕がなければ買いたくとも買えないですし、いくらお金持ちでもムキもなく次から次へと購入し続けるには無理が出てきます。そもそも飽きちゃいます。
取り敢えずはそんな『格差社会』を何としても早急に是正しなくてはなりませんがさてどうしましょうか。私のジャンル(撮影機材・職種)で言わせて貰えば、マイクロストック(画像素材)のような抱き合わせ(サブスクリプション的)な超低額路線販売か、自動車ディーラーで最近多く見かける使用期間限定の残クレ、他格安のモニター(定期的な情報提供型)販売等が挙げられます。
ニコン AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR:税別28万7,500円高額品と廉価品(サービス)とのあり方を大幅に見直して購入ターゲットを分離するぐらいの施策はあっていいのかも知れません。まあかなり無理のある提案ですが、廉価品についてはつまりは新古品の連売みたいなものになるでしょうか。
何らかの方策を以って既存を打ち破る如く破天荒な脱皮でもしない限りほんと今後各業界、メーカーさんは相当苦労しそうです。



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