



アメリカのティラーソン国務長官がここ数日で日本、韓国そして中国の順で訪れ有事の危険性が高まる当の北朝鮮問題について意見を交わしました。北朝鮮擁護側の中国は言い分の中で事の成り行きをしばらく静観する構えのように取れる感もそこに伺え、また、より近接して緊張感が増す韓国についても軍事面に於いては中国同様に北朝鮮寄りの構えを見せる次期大統領候補勢の思惑とは裏腹にとにかくはアメリカ軍との軍事的防衛の連携に注力する構えに見えます。
日本はどうかと言いますと至って冷静と言いますか、ニュース報道やネットを見ても特に大騒ぎをしている風は無く事の成り行きをまるで対岸の火事のごとく眺めているというのが私の実感です。取り敢えずそれは実際に起こってから考えればいいといった呑気さから来るのでしょうか。今の国民のほとんどが戦争を知りませんしそんな方々はもちろん実体験などない訳です。合わせて若い自衛隊員すらです。
しかし隣国が一旦有事となればそんな悠長にはしていられず、途端にかつての軍国的な省令などが勧告されて国民は一律否応なしにその命令に従わされ不条理な行動を余儀無くされます。何しろ何処に落ちるやも知れぬミサイルが何発も飛んでくる可能性が大な訳ですから仕方ありません。それが憲法9条にことごとく反していたとしても「死にたくなければ言う事を聞け」です。
即ち国民は戦後70年を以って再びまたあの忌まわしい戦争に巻き込まれてしまう事になります。私自身そんな想いの中、毎日の日課であります散歩でふとある電柱の前で足が止まりました。柱にあったのは『速度落とせ』という何処の街角でも当たり前にお目にかかる注意喚起の張り紙でしたが、その『落とせ』を見ていて『ミサイル落とせ』を無意識に連想する自分が居ました。早速、散歩で必ず持ち歩くコンデジでおもむろにシャッターを切って自宅でCG加工にチャレンジしてみる事に。
注:『ミサイル落とせ』は撃ち落とせの意味ですが、敵の陣地にミサイルを『落とせ』にも取れます。
加工するのはいいとしてもこれをネットに上げると法律に抵触してしまうのか。偽札プリントと同じ罪に問われるのではないかと一瞬不安になりましたが、あくまでデジタル加工について語る事がメーンで偽情報を流すつもりはなく当然ながら何らかの利益を得る目的でもなく、巷のタイミングといますかネタ的に面白そうと言い訳もできるのかな?なに分にも大目に見ていただければ幸いです。
さて当投稿画像のCG加工について簡単に解説していきます。
まず最初にAdobeLightroomで濃度と色調トーンそれぞれを完成系を想定しながら追い詰めます。画像劣化を極力なくすためpsd(非圧縮)16ビットで書き出し、次に私が日頃から愛用している唯一国産3DソフトのShadeを使いその図形ウィンドウ内にテンプレートとして電柱画像を表示ます。その上に円柱を生成しパースや傾きなどを細かに微調整しておき適当な名前をつけて一旦保存しておきます。
次はAdobeIllustratorを呼び出して『ミサイル』という文字と下部に張り合わせるミサイルを模したシルエット抜きイラストを簡単に描きます。フォントは電柱写真に書かれた文字に出来るだけ近いものを選んで文字をアウトライン化して当該3Dソフトに読み込めるEPSファイル形式で書き出します。
先に保存したShadeファイルを再び立ち上げてそこに今のEPSファイルを読み込んで立体化。電柱に位置を合わせた円柱オブジェクトに程よく重ねて文字抜きします。この場合は『=』マークで合成します。※詳しくはネット等の解説書参照。
この時電柱部分としての背景を白く黒文字のみで二階調になるようにします。サイズは撮影画像と同じ4000ピクセルにしてアウトフォーカス生成が可能なパストレーシングでレンダリングします。※写真原盤のピント位置とボケ感に近づけるのがコツ
レンダリングが終わりいよいよAdobePhotoshopとのレイヤー合成作業に入ります。レンダリング画像をレイヤー上で二つに複製して片方を階調反転してそれぞれを電柱写真に『乗算』『スクリーン』で文字の位置調整を行います。位置が決まったら一旦文字レイヤーを隠して電柱写真の不要な文字をスタンプツールで要領よく消し去り無地にし再び文字レイヤーをアクティブ。各文字レイヤーを電柱写真に残った文字に似せてトーンや色調を調整します。以下に表示するミサイルのシルエットも同じ要領で補正していきます。
取り敢えずこれで無事完成と相成りました。如何だったでしょうか。作業を振り返ってみればフィニッシュまでには結構様々にソフトの使い分けが必要な事が理解できます。一見Photoshopだけで完結しそうにも思えますがよりリアルに追い詰めるとなればある程度のこだわりもあって然るべきと言える実例ではないでしょうか。前回のこのブログでご紹介しました
ミサイル発射画像ですが、こちらも今回同様の加工を施して作られました。※効果として使用したジェット噴射や煙は海外の合法フリー素材を活用
私なんぞよりもっと優れたテクニシャンは大勢いますのでそこでより素晴らしい技術やセンスを磨くなどこれからも色々勉強に励んでください。ただ私の場合、ストックフォト素材制作という観点から出来るだけ短期でスパッと大量に仕上げるというジレンマが絶えずのしかかります。そこはそれ相応の理屈も加味しながらというところです。
まあしかし、国民を戦意高揚させるこんな張り紙は出て欲しくないですね。
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