それでも地球は廻っている

夢花火100連発より
ロイヤリティフリー素材タイトル『夢花火100連発』より
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「それでも地球は廻っている」という言葉を聞く事があると思います。この地球上で、いやこの広大な宇宙のどこかで何が起こっていようが、それでも地球はとりあえず廻り続けていて我々人類を含みあらゆる生命が温存され止まる事なく後世に引き継がれている訳で、この回転が始まってから少なくとも45億年が経ったのです。

多少話が誇大すぎて意味不明な始まりになりましたが、もちろん最大公約数的には私自身にも間違い無く言える事でありストックフォトを生業とする身にとってその一個人にどのような災難が振りかかろうがそんな事はお構いなく明日になれば何食わぬ顔で再び日の出はやって来ます。

そう、今やストックフォト稼業はこの分野を専門とする方たちにとって廃業危機さながらの差し迫る窮状といいますか遂にその時が到来したと実感しています。実感という事は私自身もその状況にあるという事であり飛行機で例えれば超低空飛行でいつ失速して墜落してもおかしくない状態と言いたい切実極まりない窮地と言っていいでしょう。

既にあの豊かだったバブル時代が過ぎて久しい訳ですが、デジタル技術とインターネット送信がインフラとして高度に充実する中で誰でも簡単にそして短時間でリアルタイムに物事のやり取りが可能になりました。そうなると当然コストが抑えられて単価が下がり、立て続けに起こる大災害や急激な市場経済の低迷が追い打ちをかける中益々その相場はもはや馬鹿げた投げ売りにも相当するほどの価格帯にまで急落していきます。

タイトル『Amazing Focus』より
ロイヤリティフリー素材タイトル『Amazing Focus』より
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そしてアマチュア参入の投稿型マイクロストック業界の市場支配は既存の高度なクリエイティブに最悪の状況をもたらしました。プロとアマの垣根はものの数年で崩れて世の中は想像を超える大量の安売り素材で溢れかえっていきます。中にはアフィリエイト収入を糧として初めから無料配布する輩も現れて止めどを知りません。

話は若干逸れますが、私が今ストックフォト素材制作の柱に据えているカテゴリというと概ねCGになるのですが、率直に実写2〜3に対してCGが7〜8の割合になる程CG素材は私のいわゆる生命線になっています。ただその重要不可欠な生活の主軸であるCG素材が今、極度の落ち込みを見せはじめ僅か3ヶ月足らずでこれまでのおおよそ3分の2ないしは半分近くまで急落してしまったのです。まさに寝耳に水のごとく悪夢のようです。

一体何が根本の原因なのか皆目見当もつかずそんなあたふたした状況の中新年を迎えたというのが実情です。代理店販売に全ウエイトを占めている関係上作り手側が急遽どうしようとも応急処置はままならず毎月来る売上報告を固唾を飲んで見守るというスタンス以外にないのは言うまでもありませんが、果たして現場で何が起こったのか?変わってしまったのか?現在知る由は一切ありません。

まず一つ想像するに、上述の低価格販売を強行するマイクロストックの台頭であろうと思います。最近はあのAdobeがストックフォトに注力し始め国内最大手のフォトリアを傘下に収める形で在庫数を強大にしています。当社開発のメジャーソフトのレンタルと絡めて同ユーザーの素材販売への集客をネット上で一手に束ねるモデルは有効に機能しているのかも知れません。

タイトル『Visions』より
ロイヤリティフリー素材タイトル『Visions』より
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あくまで想像の域ですが、2016年は紙媒体からネット広告へのシフトが顕著になった事も伺えます。確かに兆候は感じていました。昨年2016年は特に売り上げが頭打ちになっていたからです。通年ですと悪い月のあとそれなりに他の月の売り上げで補うことは多くそれなりの年収が確保できていた事です。2015年などはその前年比プラス30%と大いに回復基調も伺え安堵していた矢先のこの状態が信じられない訳です。

そしてもう一つはサブスクリプション販売サービスの過度な推進とそれに伴う検索アルゴリズム変更の可能性です。最近はとかく外国勢素材が目につくようになり国内作家の作品群がその中に紛れ込む形で体感的にとりわけ検索にひっかりにくくもなりました。マイクロと肩を並べるべくの施策ではあると思いますが、あくまで経営温存が先行でありこのままでは有能な国内作家勢の優れたアイデンティティーもそうですが、その可能性すら奪い殆どが排斥される最悪のシナリオさえ見えてきました。

広範の素材は思いのほか外国エージェンシーに所属の作家勢作品が大勢を占め、更に国内勢に於いても一部の力のある法人組織が制作する素材が代理店の大半の売り場を仕切りつつあるというのは実におかしな話であり、この事から格差と価格破壊がより進み似たムードのものばかりの内容で偏りが顕在化するに違いなく素材の広がり自由度からも面白みが相当に薄れると私は懸念しています。

もしもそういう事が市場原理の原則から将来にわたって避けられないのであれば作家の当面を保護できるようなセーフティーネットが必須と考えましたが、それが難しいのであれば如何にして格差を抑制して均等にその認知度をユーザーに示せるかの施策は代理店の作家保護の観点からその責任はもはや重大局面に差し掛かったと言えます。

DVD直販タイトル『道草・彩り添えて麗しきかな』より
ロイヤリティフリー素材タイトル『道草・彩り添えて麗しきかな』より
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ここまで書いて「それでは作家さんからのご要望をお聞かせください」と問われれば、私はこう答えます。「とにかく検索により多く引っかかってユーザーの目に触れて欲しい」と。すべてはそこから始まる気がします。検索アルゴリズムの見直しと合わせて個人作家コーナーと法人検索コーナーとを二分して見せるやり方もいいでしょう。何と言っても今のユーザーさんはどの方面のどんなタイプの素材を欲しているのか、そこら辺がもう少し開示されると作る目的目標がより定め易いのは確かです。

要するにそれぞれの分野で活躍する個人作家に親身に寄り添う新たなセッティングが急務という事です。

代理店内のやり取りは契約作家には今も全く見えてきません。預かり希望があればセレクトをしてダメなら弾くといった従来型の作品収集はもはや昨今の状況にそぐわないようにも思えます。作家と担当アドバイザー間でじっくり煮詰めたものを提出してもらいそれがのちの売上ナンバーワンになりうるよう長い目で温め育てるというのは施策を講じない天敵となる畑違いのライバル会社に結果素材密度の差を広げてより強力な集客力に繋がり得ると確信します。

そもそも知られなければ買う訳もなく、個性派ぞろいの有力な作家の面々がリストラ組化してしまうそんなクリエイティブの終焉など誰一人見たくない筈ですし、またその損失が後の代理店の業績にかなりのダメージを与えるであろうと思う訳です。この文章を読まれた代理店関係者さんの思う未来思考の早急なご提案と行動をこころより期待し終わります。

...せめて私が干上がる前にどうか。

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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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