絵画とストックフォトの差について

今日はやけに風が強いです。そんな中、特に身体には大きな変調はないものの、以前指摘されていた呼吸器系の検査で朝から地元の国立病院に行ってきました。

院内の放射状に延びる通路のクリーム色の壁には大小多くの絵画がそれなりに額装されて展示してあるのですが、まあほぼ全てが印刷物ではないかと思われます。中々興味をそそるものもあって、何かで病院に行く機会があればその都度ふと立ち止まりポーと眺めたりしています。

今日観た絵画が少し気になったので空かさずテーマにしてみました。

それはやや厚塗りの油絵で色彩を極力抑えたモノクロ調表現で描かれたものでした。レンガが所々剥がれた西洋風の白壁の家屋、入り口を中央上部に描いて手前からその玄関に延びる年紀の入った石段に沿って植えられた花々が目を引く縦位置の作品。結構大きめで何号かはハッキリしませんが、長辺は1メートル近くあったと思います。

まず率直に感じた事は、もし写真で撮ったらごく普通の風景であり日本でも近隣のお宅でよく見かける、言わば平凡な被写体そのものです。作者名は明記されていなかったので専門的な事は知り得ませんが、これが著名な作家作品であったなら勿論もの凄い高額になるんだろうと思いました。

仮に、この作品がストックフォトを目的として写された写真であったなら、どう評価が変わってしまうのか興味が湧いてきたのです。私の経験値からまたも勝手な発言で恐縮ですが、ストックフォト使用であればまずボツ駒になるんじゃないでしょうか。このバリエーションをいくら撮影しても難しいと感じました。

目を見張るほどダイナミックで幻想的かつ鮮やかでもなく誰もが憧れる景勝地が描かれている訳でもない。とにかく広告に必要な要素があまりにも写っていないので広告主からすれば使いづらい絵である事は間違いないでしょう。

しかしながらこの絵の各部を構成するディテールには、時間の経過や傍らの季節とともに描き手の想い、姿は描かれていないもののそこに永く暮らしているだろう住人の情景など多くの情報が自然と心に染みてくるのも事実です。紛れも無い心惹かれる実にいい絵でした。

壁にかかった他の絵を観ても有名無名に関わらず結構そんな法則で描かれたものばかりなのですが、どれもが観賞用として完結されています。ストックフォトの利用価値の概念と絵画(鑑賞用描画の総称)の希少性という商品目的の差異に改めて気づかされた思いがしました。

本音でいうと私的には、アートがもっと無名な私でも参加できる身近な仕事として成立してくれればこんな素晴らしい事はありません。


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