ドローンまた落下

時に話題に上るドローンがらみの事故ですが、つい先日、自称某会社役員の操縦するドローンが世界遺産のあの姫路城天守閣付近の屋根瓦に落下、部材を損傷するという事件がありました。当人が言うには「帰還操作を行ったが戻ってこずしばらく周辺を捜索したが見つからなかった。」と言い逃れしていたようですが、実際は恐ろしくなってその場から逃亡したのではないかと私は思っています。

事件後ネットのある投稿欄に、あの天守閣に修繕作業用に櫓を組むだけで費用が1000万円ほど掛かると載っていて私自身も驚かされましたが、何せ世界文化遺産ですから損傷箇所にセメントを流したりボルトで簡易固定などとは絶対あり得ない訳で、当事者が全額請求された場合を想像するだけで身の毛がよだちます。

ところで本日も早速ドローンが落下したというニュースが入ってきました。まさしく今日の朝のことです。群馬県前橋市で行われていた自転車レース中にそれは起こったのですが、今回は正規に業務としている業者が操作するドローンであったという事から、まさかと思いました。

それも落下後炎上したというのですから尋常ではありません。すぐさま関係者が慌てて消火活動を行った事もあって大事には至らなかったようですし、けが人も出なかったと聞きます。落下の原因がなんであったかは現在のところ情報はありませんが、予め操縦技術のあるプロの操縦にも関わらず落ちたのは事実であり、やはり電波で飛ばすというリスクは相当なものなのでしょう。

話は変わりますが、フェイスブックを閲覧していると決まって1日に何度か人物も入れ替わりつつドローン画像(動画)の投稿を頻繁に見かけるようになりました。ニュースで姫路城落下が盛んに報じられている最中であっても平然とドローン画像を投稿する人もいれば、疑いもなくここは有名な国立公園上空であろうという位置から撮影したと思われる画像も散見されます。こちらの方は果たして何らかの許可を取っておられるのか、疑問が残りました。

それよりも以前には、現場で監視員に注意された人が特に悪びれた様子もなく「これじゃあもう撮れるところ無いよ」みたいなコメントが記されているなど、このような軽い意識のドローン人口が際限なく増えるであろう現状を懸念している訳ですが、そんな投稿にもいいねボタンが時に数十人にも及ぶ事があるのですが一体何を以っていいのか、単に画像だけ見て押しているとすればその押した人の見識も疑いたくなります。

いわゆる巷で起こる自動車による交通事故に例えるならば、あれだけ規則規制がはっきりしている道交法があって尚、依然として重大事故は避けられない訳なので、そう思えばドローンもそのうちとんでもない事故事件を引き起こしそれが近い将来間違いなく大きな社会問題になるに違いありません。

ストックフォトの素材作りにドローンを購入し早速利用されている方は結構増えているかと思いますが、そのグループにはルール違反とは知りながら運用されている問題児も当然出てきます。確かに中空視点で捉えた画像(映像)には今までにない新鮮さがあるのは事実でありヘリやセスナによる従来の空撮には相当な費用がかかる上被写体に極度に接近するのは難しくそればかりか自らの身の危険も伴うものですから、ドローンのようにお手軽で低予算で運用できるメリットは大きい筈です。

まあ、現実に利益が出る出ない以前に撮影者本人が飛ばして撮ってて楽しいというか、それが本音じゃないでしょうか。売れるか売れないかの選択でドローンが重要なのではなくドローンで何を捉えるかだと思います。いや、非ドローンでも同じ事が言えます。

今までの画像(動画)素材が全くと言っていいほど動かないから今度はドローンでひと花咲かせようなどというのは完全な勘違いでありお門違いにもほどがあります。只でさえそれなりに高性能なドローンを購入すれば何だかんだで30〜80万円ほど掛かりますし操縦技術や高度なメンテナンス、今ならドローン保険等にも加入する必要もありお手軽とは言うものの初期投資と維持費は相当なものです。

また、一度でも重大事故を惹き起こせばメディアにとっての格好の餌ともなり国民のいい晒し者になるだけです。まずは今の自分の仕事を振り返ってみて、これまでの素材制作の何がいけなかったのかを客観的に掘り下げての検証がまず優先されるべきではないでしょうか。私は風景が好きだからあの有名な写真作家と同じ機材同じ場所同じ時期に、写真集に載っているあの作品と同じに捉えたいという憧れが強いままでストックフォトをやっているとしたら、それでは決して売上は期待できません。

ストックフォトの目指す目的が素晴らしい作品を作って個展をやる方向ではないからです。その辺が常にちぐはぐが故に売れないという方々は大勢居ます。かなり以前から再三同じような事を伝えていますが、それでも気持ちが切り替えられない知り合いも実際に居ます。今後ストックフォト業界が益々激変していくと思われる中で、そこで食っていくために最低限何が必須なのかをしっかり考えて自分なりの答えを早急に探る事です。時間はあまり残っていません。

ドローン撮影が単なる暇つぶしに終わらないためにも更に重要な部分に意識を向けるべきでしょう。

しかし今ドローンをやっている方たちの多くは特に生活に困っている訳でもなくそこそこお金は持っています。ストックフォトも言ってみれば遊びの一つであって、いわゆる趣味の一環なのでしょうから私がそこにメスを入れる筋合いはありません。誠に羨ましい限りです。

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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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