コストとその目的

前回書きました空飛ぶ機材『ドローン』については、私より詳しい方で実際既に仕事に利用されている場合など、各クライアントからの強い要望から導入を加速させている方(概ね企業)はここ最近のバラエティー番組や報道分野での利用ムードも手伝って増加傾向にあります。

取りあえずドローン本体と操縦無線機があれば1人でも操作出来ますが、これがデリケートで演出効果をより高めたいとするならば、撮影担当者とディレクターを合わせて最低3人は必要でしょうか。現場には依頼主もその仕事ぶりを見守っている訳ですから、突如当初予定にはなかった無理難題が飛び出る事もあります。そもそも請け負うというのはそこら辺も考慮に要れながら進めていく事が前提であり、常にお客の顔色を伺いつつむしろ請け負い側からの率先した提案も必要でしょう。その分も含めた請け負い金額をどこに設定するかはまず最初にしっかり決めておく必要があります。

お客からすれば安かろう悪かろうでは困るので、予算に見合った、いやお客はそれ以上の結果を望んでいるものです。その中で如何に十分な利益を確保していくかがまさにビジネスをするという事になります。

私も永いサラリーマン人生を捨てて今は先の見えないにわかフリーランス(フリーターではありません)を目下継続中という身に以てその試練をここ数年は特に痛切に味わされていると言えます。

今回私が一番言いたい事は『皆さん、コストを考えてますか?』です。

カメラや編集用のPC、CG制作に欠かす事の出来ないソフトウェア等々これまでに費やした投資額はどのくらいになるでしょうか。カメラ1台とってもピンキリで、安いものは1〜3万円程度から本格的なプロ機材となると30〜80万円と各種あります。私も一応はプロ家業なので出来ればより性能重視でタフな機材を選びたいところです。しかし現実的な持ち回りの予算というものがあり、希望する機材を手に入れるのはなかなか難しいのが現状です。

機材はカメラだけではなく制作に関わるソフトウェアやパソコンを新調せざるを得ない場合も並行的に起ってきますし、撮影では出張費もあります。遠出し取材をより長い期間行えばそれだけ出費はかさんできます。私の場合は家族があるので独身の方に比べれば更に出費を抑えより多くの収益を得なければこの商売は成り立ちません。なので、趣味で写真やパソコンを楽しんでおられる方々の方がむしろ優雅な日々を過ごしているかも知れません。

余暇を利用して別の意味でストレスを解消されている訳ですから、私がとやかく言う筋合いは無いですが、事これを仕事にしている方の中には、異常なほど機材に執着したオタクをよく見かけます。常に高額な最新機材に身を包み、誰に見せて自慢したいのか分かりませんが、どう見ても利益の殆どを機材購入で食い潰してしまっているとしか思えないのです。

きっと買わないと我慢出来ないタイプなのでしょう。そのお金が何処から出て来るかと言うと今目指している分野では無く全く別の仕事(小額の請け負い)で稼いだ資金を集めて、それも長期ローンを組んで手に入れている人も結構見受けられます。一つ間違えば多重債務に陥るほどに綱渡りの生活を続けているという事になります。

そこは割り切って現状に見合った機材を利用していく事が重要なのですが、合わせて『目標』の設定も大切です。この機材で何を幾つ制作してどれだけの利益を得るのか、期間の設定から経費の総額も含めて概算します。経験上ただ闇雲に思いつきで事を起こしても上手くいく確率は相当低い訳ですから、そこは手堅く無駄を極力抑えて計画を立て行動する事が重要と考えますが如何でしょうか。

そこで浮いた資金と収入の向上が次期利益を確保するための礎となれば、更に幅広いジャンルの作品制作が可能になりますし、自身のこれまでの過ちから新たな気づきが齎されて発展的な見地も芽生え、これまで考えつかなかった奇抜なアイデアやチャンスを生み出すヒントに自ずと繋がっていくものです。

今企業はどの業界でもこの4月から庶民を横目に商品の値上げラッシュに翻弄しています。毎日のように値上げのニュースが飛び込んでくる訳ですが、値上げ幅はほんの微々たる額かも知れません。しかし私たちは今後知らぬ間に必要も無い高額商品をこれでもかと止めど無く売り付けられていきます。ひとつふたつ下のランクの商品でいいにも関わらず、世間は一般的に人目が過剰に気になってついつい見栄を張りがちです。

「自分は豊かな暮らしをしているんだ」と回りに云いたいのかも知れませんが、実態はどうなのでしょうか。これから先老人が思いの他国内人口の比率を歪めて益々増え続けます。今ある手持ちのお金を如何にバランス良く使えるか否かでその人の老後の運命がハッキリ決まってくる時代だと私は思っています。そしてそれは、ただ貯め込むのではなく世の中に上手く還元と流通を促す事でもあります。

副業(小遣い稼ぎ)として半ば諦めて割り切っている多くのストックフォト作家が殆どの中で、私が今こうして家族共々なんとか食っていけているという事は出入りのバランスが安定している証でもあります。勿論今後は分かりませんが、心構えさえあれば大きなマイナスギャップを抱え込まずに済む確率は極めて高いです。

国民一人ひとりの対応が売り手市場による格差拡大に歯止め効果を齎すものと信じます。まず自身のこれまでの購買行動を一度振り返ってみては如何でしょうか。

お酒やタバコのように数ヶ月我慢すると結構辞められたりする(禁煙=私は3ヶ月弱)のと同じで、根本は強い意思と決断です。しばらく経てば、過去の自分の行動が如何に愚かで馬鹿げていたかがきっと理解出来る筈です。

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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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