daj(デジタルアーカイブジャパン)今秋終了の記事

国内大手のストックフォトエージェンシーのdaj(デジタルアーカイブジャパン=以降:daj)が今秋9月末を持ってサイトの閉鎖を告知しています。この書き込みはサイトトップに既に昨年の8月下旬に貼り出されていたようです。

しばらく当サイトを確認していなかったのでつい先日この報告に触れて、思わず「またか」という感じでした。私の場合は直接預け入れしている代理店ではないのですが、私が契約しているアマナイメージズさんとの提携会社という事で同様の素材が売り場でほぼ並行的に販売されていました。

dajさんで実際どれだけ販売されていたのかは毎月の支払い報告に詳細が無いので分かりませんが、最近の売り上げの減少からすると既にその影響が出始めていたのかも知れません。とても残念ですし、今後もこのような大手代理店の閉鎖がまだまだ続くという証であり、預ける側として憂慮出来ない不安は更に募ります。

本当にこんな世の中でいいのでしょうか。いや、更に過酷な変化が次から次へと起ってきます。前々回に自動車についての記事を書きましたが、今日のヤフートピックスに似たようなぼやきが掲載されているのを見かけて読んでみました。こちらは新車価格の高騰が顕著になっていて若者やファミリー層の家計を圧迫しているというものです。

私の同記事の冒頭にもありますが、物価が上昇すればモノの値段も自ずと上がっていくという市場原理の中でメーカー各社(各業界)はターゲットユーザーを購買力のある高所得者層へとシフトしていきます。手頃な場所を定めて新商品を打ち出し新たな価値を高額設定で売り込むうちに、これまでの一応のユーザーを置き去りにしてしまう結果を招きます。

いつの間にかモノの値段に大きな偏りが生まれ定着し格差の壁は益々高くなるというような負のシナリオが描けます。今日本政府が取り組んでいるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)がこれから先内需に何を齎すのかは、今の現状を見るだけでもある程度の予測は立ちます。殆どの国民にとって大した恩恵は得られないという事です。

これが誰もが夢見た世界が一つになるという事、いわゆるグローバルの実態なのです。かつてユニクロの会長兼社長の柳井正氏が提唱した「世界統一賃金の実現」が達成されるとすれば我が国の賃金は途上国並みにされてしまうと危惧する専門家の意見も散見されますが、今日の技術革新で言えば、まずロボット化による労働力の削減が先に来るだろうと私は考えます。

昨日発表されたソニーモバイル事業で追加1000人(計2000人規模)の退職希望者募集など事業転換による人員削減がどの業界でもこのところ盛んになって来ている事は皆さんもご存知かと思います。リアルにそれがいつ自分に降り掛かるか知れず人ごとでは済まされない訳です。

毎年数十万人規模の失業者を生む中で低賃金を善しとする移民の受け入れが増えていきます。早期退職を機に技術革新を上手く取り入れて新規事業を立ち上げてはみたものの、大手ライバルの出現で合えなく倒産、そんな国民でごった返すような悲惨な世の中になります。そうなるとどうなるか。治安の不安定化から国民の知る権利等が失われ各所で強制執行の実施、えん罪事件の多発など低所得者は窮地に追い込まれていくのです。

書く内にすぐ変な方向に逸れてしまうのが玉にきずです。本題に戻しましょう。

ストックフォトの現状で、正直私に限って言えば全く売れていない(報告が無い)契約代理店が殆どを占めます。大手3社がかろうじて私の命の支えと言っても過言ではありません。請け負いで生計を立てている作家さんからすれば、「よくもまあストックフォトだけで頑張れるな」です。

いずれこの業界もマイクロストック(特に大手外資系)のような低価格販売方式に全てが打って変わられてしまうかも知れませんが、それを市場(需要)が求めるなら仕方ない事です。経済はよく生き物と称される事がありますが、まさに地球を身体に例えるならば経済活動は差し詰め細胞や血管、神経組織なんでしょう。この延命機能の元で私たち生き物はある程度の期間生かされている訳です。

今まさに経済という身体組織が得体の知れぬウイルスのような何者かに急速に犯され始めています。新たな細胞を作って延命の道を究めるモノたちも居れば、腐敗して朽ちていくモノも出る中で、さて私はどちらの道が審判されるのか、絶えず気は抜けません。

考えろ、考えろ、もっと考えろ!止まるな、です。

コメント

完全燃焼

No title
はじめまして。

正直、ストックフォトは経済政策やデフレがどうのこうのというのは少々的外れだと思います。
デフレではなく技術革新が産んだ途上段階で、要は紙媒体からWEB媒体へ使用用途の主体が変化している状況で、従来の紙媒体のコストの考え方だから難しいんだと思います。
レコード→CD→MD→MP3→配信と変化していく中、低価格化を反対した多くのアメリカのミュージシャンがいましたが、この音楽業界とストックフォトの状況は同じだと思います。
これは経済政策によるものではなく、技術革新が産んだ低価格化でしょう。
WEB媒体でストックフォトを使うのに、1枚10000円も20000円も寄稿者に払って元は取れません。
WEB媒体で日々更新されるサイトが沢山増えていく中、従来の大手エージェントより、手軽なマイクロの方がスタイル的に合っているのです。
そういうWEB媒体はそこまで高品質なものは求めていません。
かといって、紙媒体が完全に廃れるわけではないですし、マイクロ中心に舵を切ると生活できるレベルに達するのは中々難しく、そこのエージェントがこけると共倒れする恐れがあります。
やはり、既存の大手とマイクロの両輪でやっていくのがバランス的にいいんだと思いますよ。

デジ画職人

Re: No title
デジ画の日々を読んで頂きありがとうございます。

No titleさんのおっしゃる通りですね。
ストックフォト業界もそうですが色々とリスクあり変革ありを繰り返しながら
その時代に合った形で絶えず市場は変化していく訳ですから
まあそれぞれのやり方受け入れ方次第なんでしょう。

コメントありがとうございました。



> はじめまして。
>
> 正直、ストックフォトは経済政策やデフレがどうのこうのというのは少々的外れだと思います。
> デフレではなく技術革新が産んだ途上段階で、要は紙媒体からWEB媒体へ使用用途の主体が変化している状況で、従来の紙媒体のコストの考え方だから難しいんだと思います。
> レコード→CD→MD→MP3→配信と変化していく中、低価格化を反対した多くのアメリカのミュージシャンがいましたが、この音楽業界とストックフォトの状況は同じだと思います。
> これは経済政策によるものではなく、技術革新が産んだ低価格化でしょう。
> WEB媒体でストックフォトを使うのに、1枚10000円も20000円も寄稿者に払って元は取れません。
> WEB媒体で日々更新されるサイトが沢山増えていく中、従来の大手エージェントより、手軽なマイクロの方がスタイル的に合っているのです。
> そういうWEB媒体はそこまで高品質なものは求めていません。
> かといって、紙媒体が完全に廃れるわけではないですし、マイクロ中心に舵を切ると生活できるレベルに達するのは中々難しく、そこのエージェントがこけると共倒れする恐れがあります。
> やはり、既存の大手とマイクロの両輪でやっていくのがバランス的にいいんだと思いますよ。
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写真家・CGクリエーター:石関ハジメ


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