悲報
2月1日未明、動画投稿サイトYouTubeに後藤健二氏を殺害した動画が投稿公開されました。交渉決裂という事なのでしょう。後藤氏については解放の期待が大きかっただけに非常に残念でなりません。後藤氏と湯川氏お二方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
今朝、湯川氏殺害の現場が撮影された写真を手にした同拘束中の後藤氏の映像がソーシャルメディアのYouTubeに投稿公開されたのをニュースで知りました。ついに恐れていた事態になったなという面持ちでとても残念でなりません。
前回のこのブログで書きました映像合成についてですが、あれが事実だとするときっと湯川氏は疾うの昔に処刑されていたと思われます。映っている湯川氏の恰幅のある顔立ちからすればあまりにも健康そうで拉致されてそれほど経過してない可能性があります。その当時に湯川氏を撮影していた映像を後藤氏のものに合成した可能性が考えられるのです。
過激派グループは既に殺害している湯川氏を同じ画面に映し出す事で二段構えで要求出来るお膳立てを持って画策したのでしょう。なので「一人殺したぞ。さあどうする?」というやり方です。なので後藤氏はまだ健在だと考えるのが妥当という事になりますが、私が思うに、彼ら過激派グループの後藤氏と湯川氏の扱いは結構異なる気がしています。
湯川氏はいわゆる影の武器商人(死の商人)でその事がインターネットの情報を通じて拘束の時点で既に彼らにバレていました。最初公開された映像にもしっかりその言動が録音されています。つまり湯川氏が自らの敵である政府軍に武器弾薬その他戦闘に必要な物資を売り込んでいるとう事が発覚したのですから問答無用となるのでしょう。
一応後で脅しに使えるようにビデオだけは押さえておき直後すぐに殺害したと思われるのです。一方の後藤氏ですが、彼は単身で友人(湯川氏)の救出に出向いていた事から、「こいつは勇敢だ。命を賭けてこの土地にやってきた。」というような解釈があったように感じます。以前何処かの番組で聞いた事があるのですが、イスラム過激派には命を惜しまず身を挺して戦ったものを『勇敢な戦士』と誉め称える風習慣習があるようです。
後藤氏がたった一人生きて帰れない覚悟を持ってこの場に及んだという事から比較的穏便な扱いになっている可能性があります。今度の要求は現在ヨルダン政府に捕われている仲間1人の釈放を条件に脅しているようですが、先日イラク北部(モスル)に於ける戦闘で過激派戦闘員6000人以上が戦死した模様で、そのような状況の中、身代金よりも自爆テロを企てた英雄(イラク人女性死刑囚)の解放を優先したのかも知れません。
救いの鍵はヨルダン政府と日本側の交渉にあります。詳しい事は分かりませんが、ヨルダン軍兵士1人がイスラム国側に拘束されているという情報のもと交換条件も視野に入れて現在検討中という事から日本人の釈放も加味されるのか予断を許せない緊迫した状況は当分続きます。
しかし後藤さんは彼らにとって『勇敢な戦士』な訳ですから心情的に出来る事なら処刑は避けたい所なので、救出される可能性は湯川氏の立場に比べて格段に高いと言えるでしょう。もう少し時間はかかりますが、希望はあります。
ところで上述の映像合成について補足したいと思います。
その後の報道番組によれば仮に正面から撮影された映像が実写であるならば、広角レンズで撮影すると影の出方は理論的に説明出来るとしていました。確かに超広角を持ってすれば影の位置がパースの関係で幾分かは移動するだろうと思われますが、撮影位置からしてそれほど被写体から離れているようには見えずむしろ近いほどです。
となると超広角撮影では両サイドの画像が横に伸ばされて歪んで見えてもおかしくありません。ですが公開映像では比較的画面は安定していました。更に右斜め側からの映像もありましたが、こちらはやや標準系の焦点距離で距離を置いて撮影されているように見えます。50〜80ミリ当りでしょうか。
そのような状況でも2人の影は左右反対ですし斜め側からの標準系での撮影ですから両者との距離3メートル弱として考えてもどちらかのピントがやや甘くなるように思いますが、比較的ピントが深く両人ともにシャープに描写されていたので不思議でした。
私は、「これは合成に間違いない」と思っています。
その直後、湯川氏はもう居ないかもしれないと直感しました。今日、まさにそれが現実となったのです。
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