先ほど、イスラム教スンニ派過激組織の『イスラム国』のメンバー1人が日本人2人を人質に2億ドル、日本円にしておよそ240億円を72時間以内に用意しろという脅迫ビデオ映像をソーシャルメディアのYouTubeで公開しました。
映像に映し出されている日本人の1人は昨年当イスラム国メンバーに誘拐拉致された軍事物資を扱うブローカーで社長の湯川遥菜氏ともう1人はフリージャーナリストで現場入りして取材中だった後藤健二氏です。この状況から2人の運命は風前の灯と言わざるを得ませんが、果たして日本政府は身代金を支払い事なきを得るのでしょうか?
いやいや、きっと支払いはしないと思われます。つい先日、中東各国を訪れた安倍首相は対テロリズム撲滅を後押しする形でまさに同額の2億ドル支援を約束したばかりだからです。イスラム国はこれに強く反発しこのような行動に出たと推察されますが、ただこれが単なる脅かしで様子をみようという策略なのか、それとも本気なのかはこの映像からは何とも言えなません。
というのは、映像をよくよく見ると人質2人の顔に当たっている日差しの影が左右逆になっています。もしかすると中央の人物の両サイドに実際は2人は居ない可能性があるのです。つまりでっち上げ映像の可能性があるという事です。
特に72時間以内というあまりにも早急な要求には違和感さえ覚えます。仮にお金が用意出来たとしても2日程でそれだけの金額をすべて用立てて送金するというのはかなり難しいと思われます。相手(イスラム国組織側)だって多少時間をかけて交渉したい所もあるでしょうし、そもそもそんな大金を日本側がハイどうぞとばかりに簡単に大盤振る舞いするとはあまりにも安直過ぎます。
しかしながら彼らはかなり残虐な連中なので払っても払わなくとも2人を処刑してしまう確率は高いです。更に今の安倍政権は相当右翼肌で染まっているので強気の姿勢は崩さないと思われます。
人質のお二方にとっては実に気の毒な状況です。何らかの進展があって奇跡が起る事を祈るしかありません。僅かではありますが、イスラム人には比較的親日派が多いと聞きます。いや待てよ、もしかすると2人はもう既に殺害されてしまっているかもしれない。と、よからぬ疑念が今ふと頭を過りました。
さてこのテロという過激行動ですが、世界各地で散発的に起きています。問題は無差別での殺戮が多発しているという現状です。同郷の仲間ですら構わずジハードとやらに巻き込まれて犠牲になる訳ですが、となるとテロを企てる側の本当の狙いとは一体何なのでしょうか。
新たなイスラム世界の復活なのか、ただ単に復習という連鎖的な単純な感情からなのか、何となく嘗てのオウム真理教を思い出させます。ある小規模な宗教団体(新興宗教)が信者からお布施なる資金を大量に集めて、それを使ってまずは選挙に打って出ます。それがうまく行かなくなると突如サリンを生成しテロに及ぶというシナリオですが、まさに構図としてはよく似ています。
まずはイスラム国の樹立が目的で、そこを拠点に世界中を戦慄の中で統一し彼らにとってのユートピア社会の建設が最終目的ではないかと私は考えます。そうなれば私たちの殆どは奴隷と化し神の名に於いて無慈悲に殺されていく事になります。
幼い子供が誘拐され人間爆弾で1人また1人と希望の卵たちが死んでいく様は、もはや地獄の沙汰としか言いようがありません。そしてその都度巻き込まれる犠牲者は後を絶ちません。テロ首謀者(先導者)のこんな審判のあり方を善しとする無神経さは何処から来るのでしょうか。
よく目にする対立的な宗教戦争の範疇を超越してしまってもはや狂人です。いくら貧しい境遇に貶められたからといってもそれを理由にここまで出来るものなのか。同じ人間として考えが及びません。きっとジャーリストの後藤氏もそんな彼らの生の声を聞きその真意を求めて半ば命がけで危険地帯を取材されていたのでしょう。
ここでテロ集団さんへ提案です。
一通りの条件から国連が何処かのある地域を皆さん方に解放したとします。そこでまずは数千人規模で居住をはじめてください。自らが理想とする暮らし方を模索してください。経済、宗教、教育、医療や福祉も充実させてください。他の国々は皆さんのやり方に一切口は出しません。自由にやってもらって結構です。ただし、しばらくは一切のお金・人員援助はいたしません。自らの力だけで経済活動を回してみてください。
結構大変だと思いますが、だからといって再び世界に恐怖の戦慄を持ち込む事だけはお断りします。慈悲深く正直に生きれば神はいつの世も決して皆さんを見捨てる事はないでしょう。
分かってくれるかな。
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