魅力尽きない北海道

タイトル『空よ。大地と。』より抜粋


北海道に魅せられて>
現在7月も後半に入りもうとっくに梅雨明けで太陽はギンギンギラギラと思いきや、未だじっとりとその前線はしっかり日本列島に居座り続けています。毎日が断続的な雨天絡みで洗濯物が干せない状況でほぼ毎日洗濯機の乾燥機能を作動させて無駄な電気代が掛ると文句タラタラのうちのカミさん。

さて、そんな本土と比べて梅雨知らずと謳われる地域と言えば皆さんご存知の『北海道』ではないでしょうか。空気は常に乾燥していて爽快、スカッと晴れ渡る目に眩しいほどのブルースカイの毎日が想像できます。私も過去数回、一世を風靡したあの人気テレビドラマ『北の国から』で有名になった富良野やその隣り町美瑛(びえい)には必ず立ち寄っています。6〜8月ともなればまさに最盛期、緩やかな丘陵を成す広大な畑それぞれがまるで敷き詰めた絨毯のような文様を成しジャガイモの花を始め色とりどりの作物で賑わいます。

上掲画像ですが、その一角に黄色く咲き誇る菜の花の仲間キガラシです。この土地ならではの想像を絶するスケールにはただ呆然とするばかりです。この花の使われ方ですがつまりは肥料(緑肥)、次期作物の栄養となるようそのまま埋められます。この撮影から2日後でしたか同じ場所を再度訪れると何とその姿はなく全くの更地と化していました。偶然にもあの日立ち寄らなければ写せなかった奇跡のショットとも言える貴重な画像となりました。

上述の『スカッと晴れ渡る』ですが北海道と聞いて実際はそう毎日確実に晴れ間が続く訳ではありません。地域にもよりますが曇天もそれなりに多くやはり現場にサッと赴いて確認できる地元カメラマンの写真の出来ばいは違います。これまでもそんな驚きの素晴らしい作品を私たちに垣間見せてくれています。その代表が言わずもがな故前田真三氏でしょう。当時写真集も購入してその風景の素晴らしさに触れ最初に訪れたのが去る1990年だったか、これまで目にした事のない別世界の感動が今も脳裏に鮮明に焼き付いています。

弊害をもたらす観光客>
あれからおよそ30年が経ちその撮影現場は相当に様変わりしました。畑にはあちこち進入禁止の立て札が立ち並び撮影名所を拠点として監視員が常時巡回しマナー違反者への啓発活動に余念がありません。私が訪れたその最初の頃はそれほど迷惑がられておらず歩いて畑の間を通り抜けようが自動車で入ろうがお咎(とが)めなしで、むしろ「あそこからの風景がいいよそこの畦(あぜ)まっすぐ行って右」「ここ今からトラクター入るからグルッと迂回して、悪いね」こんな具合でした。

ところがここしばらくの度を超えた不届き者の進入で作物は荒らすは、勿論靴の溝に挟んで持ち込まれる他のタネによる病気被害の温床ともなりそのかつての温和ムードはサッパリ無くなっていきます。私も数年前に実際に経験していますが、ある写真グループのご年配者数人が訳あって切り倒され今は無き『哲学の木』の周辺を囲んで撮影に没頭している場面に出くわしました。

すかさず監視員が詰め寄って「そこから今すぐ道路側へ出てください。そこは私有地で進入禁止です。」そう叫ぶと「なんだよ、俺たちは観光客だぞ。あんたらの収益の手助けしてるんだ。」これです。面と向かってこれだけ大胆に屁理屈を言う人を始めて目の当たりにしました。「大体ここの車止めのタイヤをもっと分かるように道路沿いに置きなさいよ、誰だってこれじゃクルマを奥まで入れちゃうよ」と自分たちが乗り合わせた四輪駆動車が畑に半分突っ込んでいる事にも不条理な言及をし、私も近くで聞いていたので流石に気まずくなったのかその後少し撮ってからそそくさとその場を離れて行きました。

非常に残念な方々です。こういった輩が集団で絶えず畑に押し寄せるのですからたまりません。ただでさえ最近の気候は北海道でさえ不順になっています。猛暑など本土と比べてむしろ北海道の方が高い日が多いですし数年前に訪れた際はあまりの暑さに熱中症に成り掛けて即日陰に逃げ込んで自動車のエアコン全開で半日横になった日もありました。農家さんはイライラ、それだけでも作物には多大な影響が出ていると察します。

プロカメラマンこそ悔い改めよ>
このところのインバウンド効果から観光農園がその人手の多さにパンク状態だそうで特に北海道特産のラベンダーをメインにアピールする農園は大型観光バスの頻繁な乗り入れで駐車場が常に満車状態と聞きます。主にアジア圏の来訪者が多いようですが、カレンダーでもお馴染みの『四季彩の丘』だったでしょうか、今年から駐車場がアスファルトに覆われて小綺麗に整備されたようです。ただ有料となり1日¥1000と聞きました。

こうやってじわじわとその土地ならではの貴重な悠久なる風情が失われていくのですね、誠に残念です。良くも悪くもその地域を常時写し伝える側のカメラマンの存在は少なからずそこに影響を与えている事は確かです。観光パンフレットや地元ポスター、都市部で行われる撮影セミナー、観光ガイドにツアー斡旋、およそお金儲けに余念のない事業者も交わって結果環境破壊に手を染め続けているという事でしょう。食うためとはいえ私も含め罪なカメラマン(あくまでプロ)は自らを悔い戒めるべきです。

地元カメラマンに言いたい。
一つの表現としてもういい加減撮り切ったでしょうにそろそろ別の地域に身を移してみてはいかがですか。元はといえば開拓開墾の地、よそ者が今更ながら農耕を主とするこの地に永遠と拘る意味が分かりません。ビジュアルとして素晴らしい魅力を伝えれば伝えるほど益々ダメにしているとは思いませんか?

え?カメラが売れなくなる?各種関連雑誌が売れなくなる?旅行会社が儲からない?地元にお金が落ちない?税金取れない?後継ぎが出て行っちゃう?飛行機新幹線が来なくなる?JALの嵐のコマーシャル大好き。なるほど。



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→DEGIGA.JPサイトでタイトル『気持ちのいい丘』をチェックする。

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