広告素材のバロメーター!デジ画の日々 ストックフォトの売価が年々下がっていく

ストックフォトの売価が年々下がっていく

またまた前回の続きになって恐縮ですが、なんでストックフォト素材の価値が年を追うごとに下がっていくのでしょうか。現在は高速のネットワーク通信を使って必要な情報をリアルタイムでチェック出来てしまうので、有効と思われる同じような作品が短期間で制作されて多くの代理店に大量に預け入れされてしまう現象が起きています。

そうなると審査が厳しくなるのは当たり前で、セレクト担当者にすれば「もっと違った視点で捉えた画像はないか」として、売れ難いような特殊な画像だけがピックアップされていくという本末転倒な状態に陥ります。同ジャンルの作品点数が余りにも多いために、自分の番がなかなかやって来ないという悪循環に見舞われる事になります。

多くの代理店では既に似た画像が溢れてかえっているので、制作に掛かる費用がかさむほど利益が追いつかなくなる事も。勿論格安を謳うマイクロストックの台頭もあります。使う側にしてみれば安いにこした事はなく、デフレ下ではそちらへ流れるお客も当然増えていきます。

更に、最近の広告はスマートフォンやタブレット端末など、広告経費を押さえながらより効果的な媒体へと徐々にシフトされてきました。これまでの紙媒体で一画像借りるのに数万円掛かっていた経費が数千円程度に抑えられる上、競合他社と普段から重複し易いロイヤリティフリー画像に於いては皮肉な事に、更新の頻繁なウェブ環境が重複(バッティング)防止に繋がるのは勿論、画像の購入が小サイズで安値という事も相まって使い捨て感覚で気軽に活用できるというメリットも生みました。

ここで特に心配な事は、デザイン事務所内で社員など当事者が直に画像素材を作れてしまう事です。このところの技術の急速な発達でPCのスペックがフルハイビジョン動画の再生と編集を容易にしてしまい、初心者レベルでも扱える編集ソフトがアップストアやクラウド等で簡単かつ安価で手に入ります。

外部への出費を節約できると共に、少なからず従業員のスキルアップにも繋がる訳ですが、実は当の制作会社では、最近富みに増え続けるライバル企業に対抗するだけのプレゼン力が極度に求められています。どこにでもある画像を使って「どうですか?」はもはや通用しないかも知れません。勝つ為には他社を超えるオリジナリティを前面に押し出して訴求せざるを得ない現場の空気が伺えます。

要するに従来型のストックフォト事業がここに来ていよいよ新たな局面を迎えたと言えます。仮にアベノミクスが成功して景気が回復したとしてもストックフォトの売り上げが元の形まで戻る確率は極めて低いと思われます。残念ですが、そんな感じしませんか?現状のままで単に画像の質を上げても、あるいはRM(貸し出し型)へ販売形態を変更したとしても打開はまず難しいのではないでしょうか。

我国には日本写真エージェンシー協会という同業間の連携組織が存在していますが、正直上手く機能しているとは思えません。違法にコピー拡散させる者や無料配布、超低価格販売への規制が叶わないなど無法者は今なお野放し状態であり、中には厳しい経営難の為、売り上げがあっても殆どを報告(作家への支払いを)せずに搾取している事だって考えられます。まさに作家側はやられ放題です。


以前、「インディペンデンスデイ(独立記念日)」というSF映画がありました。凶悪な宇宙人のある一団が地球を乗っ取りに来るお話なんですが、終盤で二人の主人公が敵母船に乗り込んで相手防衛システムをコンピュータウィルスに感染させ敵を倒すというものでした。途中、捕らえられた宇宙人がテレパシーを使って時のアメリカ大統領に話しかけるシーンがあるのですが、直後の大統領のセリフはこうでした。

「こいつ等に和平はない。宇宙を彷徨いながら見つけた星々をむさぼり尽くしては更なる餌食を求めて移動していくだけだ」。

もうやっつけるしかないですよね。


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ジャンル : ビジネス

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RMの単価が年々下がって来て正直辛いっす。それなりに売れてはいるけど…
ストックフォトを買う時、最初からネットでRF購入して来た
若いデジタル世代は今後RMみたいな面倒くさくて高いコンテンツは
よほどの企画以外では眼中にないと思います。
時代はとっくにRFだと思われ。

サバイバルを何としても生き抜きましょう

ごもっともなご意見ご感想だと思います。
RF、それもRF-NE(非独占)画像は既に飽和していて
ブログに書いた通り自身の番まで一向に回って来ないぐらい数が多い。
ストッくんさんの作品が風景やモデル、スティルライフ等の写真撮影系なのか
それとも私のようなCGものなのか(CGにも色々あります)の内容は分かりませんが、
結果として全体の中に埋もれてしまっている状態なんじゃないでしょうか。

今後に於ける攻略第一弾としましては、
テーマや表現自体をいい意味で他者と差別化させていく事を是非おススメします。
セレクトでも担当者に新鮮に感じられ預かり点数も増えますし、
特集(キャンペーンなど)時にはピックアップされて宣伝にも繋がる効果が期待できます。
似たような画像に飽き飽きしているお客さんへの好感度も上がると信じます。
もちろん私の場合もそんな時期がありました。(何故か過去形)

いずれにしてもこれから先はサバイバルです。
お互いに頑張りましょう。

> RMの単価が年々下がって来て正直辛いっす。それなりに売れてはいるけど…
> ストックフォトを買う時、最初からネットでRF購入して来た
> 若いデジタル世代は今後RMみたいな面倒くさくて高いコンテンツは
> よほどの企画以外では眼中にないと思います。
> 時代はとっくにRFだと思われ。
プロフィール

デジ画職人のいっつぁん

Author:デジ画職人のいっつぁん
フリーの3DCGイラストレーター兼プロ写真家です。今のところ殆ど無名ですが、家族共々どうにか食っていけてます。仕事は主にストックフォトで2009年より動画素材も手掛けてまさに三足のワラジと言ったところです。

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