ストックフォト列伝『出来ること出来ないこと』ここに完結 - ストックフォト2018

ストックフォト列伝『出来ること出来ないこと』ここに完結

タイトル『背景アンソロジー』より抜粋



ストックフォトの現状>
前回は所詮個人で出来る事は限られる、ならばニッチ路線で迫るべきと結論づけました。ただそれ以上の解説はしていません。「ならそのニッチとやらをもっと詳しく教えてよ」と言いたいところでしょう。正直私もお恥ずかしながらここに来てそんなニッチが分からなくなっています。

これまでも自分なりの工夫を加えて他にないと思われるイメージを場所変え品変え等々でそこそこCG制作また撮影もしてきた訳ですが、私自身がここしばらくは目に見えて皆さんが思う『当たり画像』に巡り合えていません。当ブログで頻繁に書いている事ですが、素材の使い道はここ10年余りで膨大な広がりを見せ、プロが撮ろうがそうでなかろうが例えその筋の素人であっても今だとインスタ写真投稿者に注目が集まる傾向も伺えるほどです。

そんな中現状として私の場合相当顕著にその傾向が表れているものに『CG』が挙げられます。まさに個人的にはニッチと謳っていた訳なのですが、それが裏目に出たというのでしょうか利用頻度がここ数ヶ月急減しています。理由は定かではありませんが、一つに『CGから実写へ移行』もしくは『利用マーケットの縮小』上述の『需要変化に伴うプロ以外の台頭』等が考えられます。

そして何よりも素材(この場合ストックフォト)の制作者が10年というスパーンでムキもなく急増した事にも起因するでしょう(個々の取り分が分散)。マイクロストックの台頭は凄まじく国内のみならず世界各国から押し寄せる素材の嵐は止めどなく膨張し続け、そこにインスタ写真いわゆる『インフルエンサー(情報拡散者)』までもがここ1・2年の内に怒涛のごとく参入してきた訳です。


ストックフォト死す>
以前ある代理店の担当者が「例え極めて低い価格が恒常的になったとしてもその需要があり続ける限りストックフォト業界が消えて無くなる事はないでしょう」と話していましたが、ただそれを生業として来た素材制作者は間違いなく居なくなります。残ったとしてもそれはほんの数パーセントであり殆どがほぼボランティアオーライの人たちです。この調子で推移するといずれは売り値が極限まで下がり一点が数円足らずになっていく筈です。(生産性喪失)

小遣い稼ぎにも趣味にもならずそんな喜びも湧かない手間ばかり掛かるつまらない行為から多くの人が離れていくに違いなく、これまでのやり方ではきっと代理店の商売は成り立たなくなります。『出来る事出来ない事』で測ればもちろん個人が対処できない運命でありその時点で『出来る事』は何一つ消え去ったと言えます。

残る前代未聞の復活劇>
前回は概ね『金コネ人脈』この三点の重要性を訴えたと思いますが、ストック以外に相当な他分野のコネでも生まない限りこの素材制作業一本で食っていく事は不可能かと思われますが如何でしょうか。

モデル撮影、テーブルフォト、風景写真でもそう、何を試みてもお金は掛かります。というよりももっと重大で今回のお話はそれ以上の解決策が必要なのです。が、唯一残された名案が脳裏に浮かびました。それを仮に『ストックフォト業界全体に於ける壮大なる復権事業改革』と言っておきましょう。

以下に示します。

① 資格を厳格化
プロとしての実績(代理店との契約期間、年間売り上げ、その他格付け)からストックフォト制作者を厳選し、それに満たない自称アマチュア作家を排除する。

② 代理店事業者の規制と監視
市場バランスを犯しかつ弱い立場の契約作家を結果的に食い物にするマイクロストックおよび無料配布事業者を新たな法律を以って免許制とししっかり規制し監視する。

③ 作家への優遇処置
代理店は個々契約作家への支払い比率を過去の作家側7割に戻す。単価を引き上げそこから算出される常識的な従前価格を各社統一しユーザーに提示の上理解を求める
※RF-NE・RM-NEは非独占のため統一対象、ただし独占素材については条件により各社が規定

④ 現アマチュア作家のプロ育成
憶えのある各教育機関(専門学校含む)に『ストックフォト科』を設け基本からしっかり学ばせ参入資格を付与する。

....マイクロの関係者さん、個人的心情といいますか色々言ってすいません。


行き着く格差の壁>
ここに携わる全ての関係者を利する価値ある見直し策は他にもまだ出てきそうですが、兎に角はまず第一にプロの制作者サイドを保護する事こそ代理店存続の重要な鍵とも言え切迫する今がまさに後がないその決断の時と思われます。質と価格そして販促の頻度安定は必須です。私が良く見るフェイスブック友達登録するそれなりの写真家さんですが、相当に優遇されお年を召していながら最前線で今も現役バリバリという方たちがほぼ毎日そんなタイムラインにわんさか登場してきます。

あの方たちは謂わばその方面では名だたる有名人なので出版社や機材メーカー等々の決定権を持つ現役関係者のお付き合いを通してそれこそ揺るぎないコネとそれなりの強力な人脈の中で巨額なギャランティを手にし絶えず君臨し続けている訳で、現状に見るストックフォト作家とのその落差格差は計り知れません。過去20年にも及ぶキャリアといいますか私も記念写真を軸にスタジオライティングテクニックは一通りこなして来ましたし写真論なり表現方法の多くを経験してきた部類の人間ですが、その後の進路違い一つでこれほど理不尽な格差が生じてくる事に憤慨しまた残念で居た堪れないのです。

僅かでもストックフォト業界に健全化の道が残されているのならば現日本フォトエージェンシー協会が先導する形でストックフォト協議会なりを新たに立ち上げて関連諸機関を通じて法務省、文科省、経産省、総務省、諸々呼び掛けて是非とも早急な具体策を打ち出し復権実現のために尽力して欲しいものです。何よりこの事は今の閉塞社会の構造改善への大きな発信の一躍も担うでしょう。

『出来る事出来ない事』、話題がいささか誇大し過ぎたようです。次回をお楽しみに。



0 Comments

Leave a comment