ストックフォト講座『素材としての質を考える』 - ストックフォト2018

ストックフォト講座『素材としての質を考える』

タイトル『つくばの梅』より抜粋


夏の風情は何処へ>
今年も早3分の2を過ぎました。あのバカ暑い夏の日差しと列をなして次から次へと押し寄せる忌々しい台風のせいでしょうか脳裏に常に浮かぶのが『命の危機』ばかりだったように思います。森山直太朗が歌う『夏の終わり』をご存知でしょうか。あまりに日本的で風情漂う夏の暮れ特有の情景にあふれた穏やかさなどコレッポッチも感じなかった今年の夏、確かに何故か慌ただしかっただけのように今思い出されます。

そんな残念な夏ではありますが、皆さんの中に何処かへ出かけストックフォト素材としてウケそうな傑作を捉えたなんて人はいるのでしょうか。毎年恒例の女性モデル専科夏バージョンなる取材陣もそれなりに居たと思われます。友人云々の知り合いの紹介から比較的低予算で撮影できた方、直接の彼女とかもありますが、まあいろいろな場面場所で思い思いに頑張ってモノにできれば後はハッキリ言って売れるか売れないか切実にそこが最終問題なんですよね。


インスタの#ストックフォト>
今タイトルである所謂『質』の件ですがその質とは何かまたどの部分にウェイトを置くか、結構その辺は売れる重要ポイントの一つと考えられますが如何でしょうか。今人気SNSの一つと称されるInstagramのハッシュタグに勿論ですが『ストックフォト』があります。最近は結構な人数が集まるようで6000人を越えてきました。そんなページで目につくのが若々しさ全開に演出される女性モデルの画像です。

私の投稿画像にも『#ストックフォト』(日本語表記)を割り振っているのでそこに表示はされるのですが何しろ怒涛のごとく投稿されるモデル専科に押されて最近はアッと言う間に下方に追いやられる始末です。そこはさて置き兎に角他の方の投稿画像をチェックしてみると、まあまあキレイに表情よく撮れていますし光線の使い方も流石という風に見て取れるのですが、ことストックフォトで売れるか?と言えばその都度微妙な感じを受けています。

それは何故かと言いますと私が昔写真店勤務時代に頻繁に主催したご年配方を集めたモデル撮影会のカットに酷似しているからに他なりません。「◯◯ちゃんこっち向いて〜」「その笑顔素敵!いいね」「はいオーケー」みたいな会話が飛び交う如くの投稿が多い事。確かに絶対に売れないとは申しませんが何とも商品としてのセオリーに概ね欠けた画像に見えました。

文字スペースは完全に無視、一体何を伝えたいポーズかも理解不能、当然撮影場所もここに決めた目的や狙いは皆無、いわば撮影者本人が思う感覚のみで捉えたという代物がかなりを占めているという状況です。ただし裏読みすればライバル同士の駆け引きというある種の側面も伺え『実態を隠す』狙いがあるのかも知れません。

という訳で今その『質』とやらをそれとなく語りました。まずは目的と方向性、そして統一性を保たせたストーリーの組み立てはどの分野に於いても外せない重要項目です。そのためのアングルや光、場所、衣装ほか小道具、人数も含め必要なモデルのキャスティングが自ずと決まってくるので、協力スタッフとの共有を図る上でも事前に具体的なそれなりの絵コンテにできるだけ多くを落とし込んでおくべきなんでしょう。


海外ブームの終焉>
ストックフォト素材は『預かってくれてなんぼ、売れてなんぼ』の世界なので代理店担当者にまず共感を得て更に多くの企業に商業活用される事が最終到達点であり、ただでさえ今や数十万人にも及ぶ全世界のストックフォト作家がしのぎを削る過酷な現場を思うに、そこをどう生き延びより成長させられるか、もはや一歩たりとも後ずさりはできないのです。

それではその中での最大の激戦区である風景専科の分野はどうでしょうか。1セット100万円ほどにもなる最高級の新型機材をぶら下げて野山を駆け巡りこれでもかと捉えた傑作は数知れず見聞きしますが、「これは違うだろう」的な画像(動画)は無論存在します。贅沢にも中には海外撮影物も散見される訳ですが基本売れません、どうしてか。需要が無いからです。

ワイキキ?アメリカ西海岸?ニューヨーク?パリ?時にマレーシアや中国のアジア地域なども見かけますが、もはやこんなご時世で観光訴求の魅力が薄くなり世界が遠かった当時のバブル期と違って関連企業がこぞって使う道理が無くなったのです。先日入ってきた情報では世界の絶景を網羅するあのJTBフォトライブラリーが閉鎖したとか。つまりそういう事なんです。

トロピカル系の代理店の多くが既に姿を消していますし、なかなか難しい局面ではあります。更には国内の超有名観光地や絶景の名所も溢れるほどその在庫数は飽和していてよっぽどの高い質を誇らなければ厳しいです。ここで言う『高い質』は即ち『使い道』に他なりません。どれだけの年月通い詰めてもどれだけの決定的瞬間をものにしようとも結局その画(え)の使い道が乏しければそこに傾けた全てがオジャンになるのです。


高品質の源は東京にあり>
となると撮影現場は自ずと狭まるのですが、さて何処でしょうか。概ねハズレが少ないのは『東京都心風景』でしょう。見上げる摩天楼や高層ビルから俯瞰する美観スケールは昼夜を問わず絶景の宝庫であり、特に地方居住者の憧れの的。経済や技術、ファッション最新カルチャー発信基地がまさに東京なので、メッカの何処を切り取っても絵になるのです。そこをいかに素材として活かせるかが腕の見せ所。

いつの時代も『東京』はベストな被写体ではないでしょうか。しかしながら国内で最も規制や取り締まりが盛んな地域でもあるので撮影には最善の配慮と注意が必要です。中でも著作権肖像権色々と厳しい大手代理店のアマナイメージズさんなんかは場合によって例え施設外からの撮影であっても無許可(無断)取材と分かれば否応なくバサッと落とします。


今回のまとめ:
要は広告を司る企業が使いたいかそうでないか、使うにしても他者のものと比べてより求められる強く明確な画になっているか、コントラストの扱い等々も含めコピースペースを念頭に配慮されているか、出来栄えに的外れの時代錯誤はないか、人それぞれまだまだ様々に捉えどころはあるといいますか兎に角はお客さんが思わず「買いたい!」と唸(うな)るくらいの理由を探求する他はありません。互いに頑張りましょう。



上掲画像は先月発表しましたタイトル;つくばの梅です。今回も相当上から目線で語っている割には、「おっさんのそれって売れるのかい?」と言われればまさしくその通りかも知れません。何せテーマが需要薄の『梅』の風景画像ですから。

しかし相当に早い段階でのお披露目はそれだけでも認知度には貢献します。代理店担当者の記憶に残りその販売ベストシーズンにピックアップ対象ともなり得るでしょう。何と言っても他で殆ど見かけない『つくば』限定商品という希少性からも、その関係筋の方々から見れば最新版ならではのお値打ちものかと。

→DEGIGA.JPサイトで『つくばの梅』の詳細をチェックしてみる。


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