化けの皮が剥がれた三菱自動車 - 時事

化けの皮が剥がれた三菱自動車

先日、あの国内大手自動車会社の三菱自動車が再びあらん事を仕出かしてまいました。蛇行走行試験の数値を低く見積もって国土交通省に提出し燃費性能を偽装した事件ですが、残念なのはよくある強固な経営陣から組織的なトップダウンによって引き起こされた行為というよりは一部の重役率いる一部署内で実行された可能性が高いという事です。

その一報を聞いた社長はもちろん経営幹部にすればまさに寝耳に水といった天と地がひっくり返るほどの衝撃だったに違いありません。「もしかしたら会社が潰れるかもしれない」が頭に浮かんだ事でしょうし、事実、関連グルーピ企業からの援助の可能性は過去の一件もあって穏便に事が運ぶ状況とは言えず再度の資金的協力が得られるかは極めて不透明という事からも倒産の可能性は相当にあり得る状況です。

政府の見解でも菅官房長官は、国内自動車ブランドの信頼を著しく貶めたとまで言い放っておりその後今般のフォルクスワーゲン社の排ガス規制違反に伴う同社に車両買取案が浮上する中、三菱自動車の問題の全車買取有無にまで言及する始末です。

90s三菱ミラージュ(サイボーグ)


かつて私も一度だけ三菱自動車で車を購入した事がありました。車種はミラージュフルタイム4WDターボ(サイボーグ)白のセダン型、排気量1600cc、当時他の同型車を上回る149馬力でリッター10、6/リットル(当時は10・15モード)ぐらいであったかと記憶しています。実際には走って7キロ程度でひどい時は5〜6キロ強でした。何しろターボだった事もあり自身の若さも手伝って初めから燃費は意識せず走りの部分に徹していたと思われます。

一般的にこの車を購入する人は当時流行っていた急カーブと坂の険しい峠道を走行するいわゆる走り屋が多かったかと思いますが、私の場合はあくまで風景撮影時の移動手段の利用を考えての購入を意識した決断でした。現場は平坦なアスファルトばかりではなく雪原走破はもとより砂利道もあればぬかった悪路も所々に点在しています。もしも殆ど誰も来ない山道のど真ん中でぬかるみにハマってしまったら万事休すな訳で、できる限り頑丈でワインディングロードに強い車種を探すという判断は撮影者にとってごく自然な行為でした。

ネイチャーカメラマンというと当時はトヨタのランドクルーザーとか日産サファリ、三菱ならパジェロのロングでした。とてもそこまでの予算と返済の能力はなかった訳で、ややヒップアップ気味のフォルムの格好よさから上述の車種になりました。

さてここからが問題のお話になります。購入後早速深い峠道を上り下りしていると突然(実際は徐々に)パワステのはずのハンドルが何故か重くなってきました。数キロ進んだところで相当厳しくなっていたので近くの修理工場に駆け込んでビックリしました。ステアリングの要でもある油圧ポンプに亀裂が入っていてそこからステアリングオイルが漏れていると言うのです。

その修理工場はたまたま三菱自動車系列だった事も救いでした。すぐさま福島県会津若松市のお抱え三菱自動車ディーラーに連絡をとってもらいそこから地元茨城県の水戸市の購入先ディーラーにその一件を通報する事が出来ました。実は購入後すぐに同様の軽い症状が既に出ていて二度ほどかわざわざ出向いて話をしたのですが、オイルが足りなかったとか、補充しておきました。などとのたまってしっかり見てくれていなかったようなのです。

その辺についてはこちらは素人同然な訳で、専門分野の方がジャッキで車体を上げてポンプに圧力を掛けてテストすれば事前に分かっていた事象なのです。今回の偽装の続報でさらに机上での数値計算による手抜きが発覚したようですが、私の場合と酷似する行為そのものであり、当時点検に関わった担当メカニックとそのリーダー格の人の厄介な客と言わんばかりの私を見る目線にはこの会社の変わらぬ体質を物語っているように思い出されます。

一つ間違えれば谷底に落ちて死んでいたかもしれない初期故障な訳で、これは重大な過失ですよ。とまああれから26年ほど経った訳ですが、その三菱自動車は色々事を起こしました。トラックのタイヤが外れて死亡事故を起こしたそのボルトに異常な疲労が見つかり、リコール申請どころか回収交換、製品出荷を継続し対策改善をそれまで一切していなかった事が大問題になり一時は倒産の危機になりました。

国の後押しやグループ企業の資金援助、銀行のバックアップなどでどうにかここまで回復してきたブランドが、たった少人数の権威プライドや上司の保身で再び苦境に喘ぐとは、全く情けない限りです。

それでもあの頃の三菱自動車は、今のホンダのように結構色々とチャレンジしていたと思います。パリダカールラリーでのパジェロ勢の活躍、一早いアウトドアライフとの融合、全車に共通する強固な足回りと耐久性能。

しかしながら満を侍して登場のPHV車のバッテリー不具合には時間を割き、今では新車がいつまで経っても出てこない、常に他メーカーの後手に回り、デザインはイマイチ、ちっちゃな車を日産自動車と分け合うなど、もはやブランドの失墜といっても過言ではありません。さてこんな三菱自動車は果たして復活するでしょうか。

おまけ:
ミラージュ納車の際、私の仕事場に納車だったのですが、車が駐車場に入ったのでいそいそと表に出て驚きました。若い女性が助手席から出てきて「すいません送ってもらって、それじゃ。」だって。納車の担当セールスにどんな経緯か聞いてみると「うちの従業員を送ってきました。ここから電車に乗るんです。」だって!

あん時「こんなのいらない!」ってごねて返品しておけばよかったよ。

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